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視点


 朝鮮高校を卒業して日本の国立大学に入学した学生たちが、母校である朝鮮学校に対する日本政府の差別是正を求めて国連で発言し国際世論を高めるのに寄与している。

 愛知朝高を卒業し現在、名古屋大学4年生の洪順姫さんは18日、ジュネーブでの国連人権小委員会の差別防止少数者保護小委員会で、朝鮮高校に通いながら通信制高校にも在学し、大検で受験資格を取得してから国立大学に合格した自らの体験を踏まえて、「日本の国立大学は日本政府の差別政策のため1校も朝鮮学校卒業生に受験資格を与えていない」と訴えた。

 5月の国連人権小委員会少数者作業部会でも大阪朝高卒業の文鐘聲君(大阪大2年生)が発言した。

 朝高卒業生が国連で発言するようになったのは、3年前に遡る。95年8月に神戸朝高卒業の金海永君(当時京都大3年生)が同様の小委員会に出席し、朝鮮学校への差別是正を訴えた。

 金君は94年12月に作られた「民族学校出身者の京大への受験資格を求める連絡協議会」の代表もしていた。同協議会は95年12月、朝鮮学校出身者の国立大学受験資格を求める署名2000人分を集めて京大に提出。その後、運動は他の国立大学にも広がった。

 母校の後輩のために先輩たちが「日本政府によって自己の尊厳を傷つけられることなく、自由に夢をかなえることができる」(洪さん)ために道を切り開こうと努力しているのである。(喜)