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今年度初級部サッカー優勝校の西東京第1が祖国で試合


 【平壌発=本社記者柳成根】6月に行われた第20回在日朝鮮初級学校中央サッカー大会で優勝した西東京朝鮮第1初中級学校・初級部サッカー部が祖国を訪問し、平壌市の羊角島サッカー競技場で共和国の人民学校(日本の小学校にあたり4年制)との試合を行った。同大会では毎年、その年の優勝チームが祖国を訪問して試合をする。西東京第1は、今年の大会で史上2校目の連覇を全試合無失点で達成するという圧倒的な実績を引っ提げて試合に挑んだ。

 

気迫あふれる好ゲームで1勝1敗

 まず15日、西東京第1は平壌ハシン人民学校と対戦した。前半、1−3でリードを許したが、後半に怒濤の猛攻で4点を奪い、5−4で逆転勝利を収めた。 つづく18日の第2試合の相手は平壌市内で3位の実力を誇るという強豪、テシン人民学校。観客席には地元の人民学校生徒たちが大勢集まり、声援とブラスバンドの演奏で雰囲気を盛り上げた。西東京第1の選手たちは祖国の生徒たちに肩車されてグラウンドに入場した。

 試合は前半開始直後から白熱した攻防戦となった。両者とも細かいパス回しからゴール前にぐっと攻め寄り、積極的にシュートを放つが、相手DFの素早いチェックもあってなかなか点を奪えない。体格で若干勝るテシンがやや押し気味に試合を展開したが、西東京第1は「1点入れよう!」と気迫を入れ、体を張った堅守と、GKの金誠智くん(六年)の再三にわたるガッツあふれる好セーブで相手FWの猛攻を防いだ。

 試合が動いたのは前半13分。西東京第1がゴール前で相手のシュートをクリアミスし、オウンゴールで不運な1点を失った。20分にも失点し、2点リードを許す展開となった。

 しかし、西東京第1は前半ロスタイム、前試合で4得点の活躍を見せたキャプテンの徐昌教くん(6年)が鮮やかなシュートで1点をもぎとり、選手たちからもやっと笑みがこぼれた。

 後半、攻めあぐねる西東京第1に対し、テシンは1分、27分に追加点を奪い、試合は1−4で終了した。西東京第1の試合結果は1勝1敗。

 試合後、観客に手を振って応えた選手たちは、応援に駆け付けた姉妹校の平壌ミョンダン高等中学校の女子生徒たちから花束を受けとり、ようやくほっとした表情を見せた。

 徐くんは試合後、「祖国の選手は体も大きいし、走りも速い。ディフェンスでの体の入れ方なども朝鮮学校の選手よりもうまかった。2試合で5得点できたが、チームメートを助けてあげられず悔しい」と語り、「これからはたくさんの観客の前でも緊張せず、自分の実力を100%発揮できるよう頑張りたい」と決意を新たにしていた。