祖国の専門講師による舞踊、民謡・チャンゴ、話術の講習会/広島
祖国の専門講師による舞踊、民謡・チャンゴ、話術の講習会が8〜11の4日間、広島市東区の広島朝鮮初中高級学校で行われ、中四国・九州地方の朝鮮学校教員や生徒、同胞ら延べ240人が参加した。今回、各部門の講習を1ヵ所で同時に行ったのは広島が初めて。参加者らは、祖国の講師の直接の手解きを受けながら民族の情緒を肌で感じていた。(榮)
話術
言葉の大切さ実感
祖国の専門講師による話術講習が日本で行われたのは今年が初めて。東京、神奈川に続く広島の講習には、各級学校教員と地方朝鮮歌舞団、文芸同のメンバーらが参加した。
まず、国立演劇団話術俳優の李英玉さんが講義し、言葉は民族の魂であり、その言葉を守るためには学校で子供たちを教える国語教員の存在がとても重要であると強調した。
「自分の立場、使命について改めて考えた」という広島初中高の李一烈教務部長は、「20年間の教員生活を通じて自分がどう国語教育に携わってきたのかを振り返る良い契機になった。新任教員の気持ちでこれからも頑張りたい」と決意を新たにした。
続いての実技講習は、中高級部教員(歌舞団、文芸同含む)と初級部教員の2組に分かれて行われた。話術、朗読、童詩など基礎理論の講義と、発音練習や実際に授業で使う教材の朗読など実技を混ぜ合わせながら進められた。
初めて講習を受けたという広島初中高の崔康信初級部教務主任は、「密度が高かった。できれば全国のすべての教員が受けるべきだと思う」と話していた。
在日同胞社会の世代交代にともない、生徒に初めて民族の言葉を教える教員が若い世代へと移行している。日本で生れ育った若い世代の言葉は、発音やイントネーションの面で日本語の影響を大きく受けており、どうしてもネイティブのようにはいかない。こうした現状で、しっかりした朝鮮語を習得するためにはどうしたら良いのかということが重要な問題として提起されている。
「生徒が朝鮮語をどれほどしっかり話し、書けるのか。その水準は教員の問題意識と実力に比例する。教員がそのことをもっと深く認識し、水準を上げなければならない」(李順愛、山口朝高教員)。
舞踊、民謡も好評
話術のほかに民謡・チャンゴ、舞踊の講習も好評だった。今回で3回目となる舞踊講習には、これまでで最多の140余人が参加。生徒から教員、一般の同胞など参加層も幅広い。
北九州初中で舞踊を指導している李香寿教員は「ビデオでは習えない動作を正確に習うことができた。生徒たちを指導する過程で疑問に思う点もすべて解決できた」と喜んでいた。
万寿台芸術団の声楽俳優金京玉さんが教える民謡講習には40余人が参加。本場の歌声に感嘆しながら、民族情緒あふれるチャンダンを楽しんだ。
文芸同広島声楽部の金在順さんは「祖国の講師に習えるなんて夢のようだ。家で復習している時、あまりの感激に涙がこぼれた」と話していた。