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羅津―先鋒自由経済貿易地帯を視察した 東京都商工会金鳳煕副会長に聞く


中継基地の役割高め、輸送システムも整備/ホテルのサービスも向上

 在日本朝鮮人東京都商工会は7月初旬、「羅津―先鋒自由経済貿易地帯と延辺(中国)視察団」(8人)を構成し、開発が進む羅津―先鋒地帯を訪れた。同行した同商工会の金鳳煕副会長に話を聞いた。

 

昨年10月に続く2度目

 羅津―先鋒地帯の視察は、昨年10月に続き2度目だ。今回は成田から飛行機で大連経由で瀋陽、延吉まで行き、そこから中国のバスで元汀に出て、次に共和国のゴールデンカップ観光会社のバスに乗り換えて羅津まで行った。

 途中、朝中を結ぶ元汀橋の近くにある自由市場は、拡張工事のため閉まっていたが、4月末、東明洞にオープンした羅津市場を見学できた。

 6000人収容可能の市場は多くの人でにぎわっていた。コメやトウモロコシなどの農産物、ビニールシートや靴などの日用品、それに医療品など色々な商品が売られていた。

 コメの値段は1キロ当たり60ウォン(内貨)だった。自由経済貿易地帯なので昨年6月から配給制度がなくなっており、ここが「経済特区」であることを改めて感じた。意欲的に客寄せや商品の説明も行っており、自由市場らしい活気にあふれていた。

 あいにくの雨で多くの場所を見て回ることはできなかったが、羅津港は国際貿易の中継基地としての役割を高めているとの話だった。埠頭には7台のクレーンがあり、うち2台は30トン、5台は10トンクラスだった。埠頭では積み上げ能力を高めるため現在、中国との合営でさらにガントリークレーンを新設していた。

 

中国からの海水浴客

 地帯内には現在、12の宿泊施設があり、われわれは香港の資本家と同地帯当局との合弁で運営されている羅津ホテルに泊まった。

 食事とサービスは昨年に比べ格段に良くなっていた。ホテルには海水浴を楽しもうと中国からやってきた若者たちが多数宿泊していた。内陸部に住む彼らにとっては、同地帯の海は最も近場に位置する海水浴場で魅力的らしい。

 香港エンペラーグループが投資する26階建てのホテル(カジノあり)の建設も進んでいた。観光開発に力を注いでいることがうかがえた。

 昨年の観光客は約1万人だったが、今年は1万5000人を見込んでいるという。海岸線一帯には大小の湾と島があり、その光景は一見の価値がある。海を目玉に観光客を受け入れれば、同地帯はさらに発展すると感じた。また地帯当局関係者は、当面ホテルで販売できる日本製品の供給を要望していた。いわゆる記念品だが、在日同胞が商品開発を手掛けてみればどうか。

 共和国の羅津と中国の延吉間をヘリコプターで結ぶ準備が進められていた。羅津のヘリポート建設はすでに終わっており、残るは延吉飛行場が中国政府から国際飛行場としての認可を受けるだけだ。同地帯の輸送システムが完備されれば、東北アジアの輸送システムの発展に大きく寄与することになろう。