投稿/ウリハッキョを花で飾りたい 尹美生(東大阪初級学校教育会職員、44)
私の勤務する東大阪初級学校が一昨年、創立50周年を迎えた。記念写真集の作成に携わりながら、学校創設の様子や当時の学生の姿を見て、1世たちがどんな思いで学校を建てたのか思いを新たにした。
国も言葉も奪われた1世たちが子供たちを立派な朝鮮人にと思い、血と汗のにじむお金を出し合って建てたウリハッキョ。4・24阪神教育闘争で亡くなった金太一君もまさにこの学校の出身である。様々な困難を乗り越えて守り続けたウリハッキョ。私自身高校まで日本学校に通い、朝鮮大学校で初めて民族教育に出会い朝鮮人として生きることを知った。私の人生がウリハッキョで変わったといってもよい。
ある日、学校の前を日本の学生が「朝鮮学校ボロ学校」と言いながら通っていった。それを聞いた時、たとえ校舎は古くても1世たちの気持ちは何にも負けず美しいのに、と思った。そして、学校を花で飾り、1世たちの気持ちに少しでも応えていこうと思った。そして今や、ウリハッキョの前は花でいっぱいになり、通りすがりの同胞や日本人が「いつもきれいですね」「楽しみにしてますよ」などと声をかけてくれる。時には苗をあげるなど、ささやかな「外交」にもなっている。
私はウリハッキョをボロ学校ではなく、花でいっぱいの学校にしたい。日本中のウリハッキョを花で飾りたい。私の小さくて大きな夢だ。
ある日、1人の生徒が、自分も1世たちの建てた学校を花で飾りたいといって花を持ってきた。その話を聞い時、とてもうれしかった。この様に1世の気持ちを引き継いで2世、3世、4世がウリハッキョを大事に守っていってくれたらと切に願う。