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朴玉順さん、若手写真家発掘の公募展に入選


 神戸朝鮮高級学校を卒業後、フォトグラファーを目指して現在、専門学校で写真を学んでいる朴玉順さん(19)が、若い写真家を発掘、応援するための公募展「98写真『人間の街』プロジェクトPART2/ネオ・ドキュメンタリー」に選ばれ、27日から東京・銀座のガーディアン・ガーデンで個展を開いている。「私がいた場所」と題した33点の作品は、母校の西神戸朝鮮初中級学校で撮影したもの。その中から2点と、朴さんのメッセージを紹介する。

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 専門学校に入り、初めて飛び込んだ日本社会の中で、本当の自分を忘れてしまいそうになっていました。私はこれからどんな写真を撮っていくのだろう。それが分からない自分が、たまらなくいやでした。

 一生の仕事にしようと決めたのは高2の時ですが、初級部の頃から写真家に憧れていました。その頃を思い出そうと、久し振りに母校に行ってみました。

 そこでは、子供たちが元気はつらつとしていて、先生たちも生き生きとしていて、みんなが私を励ましてくれているようでした。そこには、「昔の私」がいました。私は母校に通い、写真を撮り始めました。

 私にとってここは過去に過ぎないけれど、原点を見つめ直すことで、何を目指そうとしていたのか、方向性のようなものを取り戻せた気がします。こうして撮ることになった作品が公募展に選ばれ、たくさんの人に見てもらえることになって、本当に嬉しいです。

 専門学校には、通名を名乗っている同胞の人もいます。私にとって写真は、言葉にならない思いや感情を表すことができるもの。本名で、本当の自分として写真を撮り、発表できることを誇りに思います。

 今は、神戸朝高に撮りに行っています。やっぱり興味があるのは人間ですが、まだまだ難しいです。いつか、本当にいつか、祖国朝鮮の素顔を撮ってみたいと思っています。 (談)

展示は8月6日まで(日曜休)。12時〜7時、入場無料。

問い合わせ=ガーディアン・ガーデン TEL 03−5568−8818。