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米国高校生と東京朝高生の文化交流会


米国高校生/「民族の誇りとパワーに感動」

東京朝高生/「自分と相手、知る事が国際化」

 日本にホームステイ中の米国高校生7人と東京朝高生の文化交流会が18日、東京朝鮮中高級学校で行われた。「世界とどのような関わりを持って生きていくか」をテーマに、今年で4回目を迎える。米国の高校生を対象にした5週間のホームステイプログラムを実施している日米文化センター(本部=ワシントンDC)が同校に協力を要請しているもので、その都度朝高側が 受け入れている。日本の植民地支配によって存在し、現在も様々な差別の中にいる在日同胞と触れ合うことで、それまでまったく知らなかった加害者としての日本の一面に触れた米国の高校生と、異なる文化の中で育った彼らに自分たちのことを精いっぱい伝えた朝高生らは、互いに「分かり合うこと」の大切さを学んだようだ。 (琴)

 

朝鮮文化に触れ

 交流会に参加したのは、シドウェル・フレンズ高校など、ワシントンとその近郊にある公私立高校に通う男子5人と女子2人で、教員1人と通訳のボランティアらも同行した。朝高生は希望した男子5人と女子22人が参加した。

 交流はまず食事から。7つのグループに分かれ、4〜5人の朝高生が米国の高校生1人を囲みながらピビンパプを食べた。「よくかき混ぜて食べるのが、おいしく食べるコツ」との説明に、慣れない手つきでピビンパプを頬張る米国の高校生。教室の壁に貼られた映画「プルガサリ」のポスターを「これは朝鮮版ゴジラ」などと英語で説明する朝高生の姿も見られた。

 その後、舞踊部、民族管弦楽部、合唱部の部室を見て回った。とくに民族楽器の演奏の人気が高く、リズムを取りながら演奏に聞き入ったり、「CDを出したら売れるんじゃないかな」「民族のリズムがとても良いね」「同年代の朝高生たちが、自分たちのバックグラウンドを良く理解し、民族の文化を大切にしていることに驚いた」などと感想を述べ合っていた。

 米高校生と朝高バスケットボール部員との混合チーム同士で行われた試合では、米国の女子生徒に、同じチームの朝高生が「シュート! シュート!」などと指示する場面も見られた。

 

ディスカションも

 次は教室でのディスカッション。「在日朝鮮人が抱える民族教育・権利・生活の問題」をテーマに、7グループに分かれ話し合った。

 民族教育の歴史に関するビデオや、在日朝鮮人の生活状況、差別の現状などについて洪誠玉教員から説明があったとはいえ、「日本に民族問題があるとは知らなかった」(アナン・ジリダラダス、16)状態で予備知識はほとんどない。

 それでも、高校生としての共通の関心事、「将来何になりたいか」などの話題を軸に話し合いは進み、双方とも持てる知識や体験を総動員して互いを理解しようと努めた。

 米国の高校生からの「アメリカでは白人が黒人のために闘う」、「日本では日本人が朝鮮人のために立ち上がらないのか」などの問いかけに、朝高生が「処遇改善を求める署名運動などで、協力してくれる日本人も多い。私たちの存在をもっとたくさんの人に知ってもらえれば…」などと答えるといった具合だ。

 交流会を終え、米国の高校生たちは、「パワーに感動した。彼らは積極的に差別とたたかっている。民族意識を大切にし、民族の誇りを持っていれば日本での差別などもなくなると思う」(マイケル・ガラント、17)などと語っていた。

 陳賛淑さん(3年)は「人に何かを伝えるには、まず自分を良く知らなければならない。その中で問題意識も高まり、相手に対する理解も深まる。国際化とはそういう意味だと思う」と感想を語った。交流会は朝高生たちにとっても「民族性」や「アイデンティティ」を改めて意識する場になったようだ。