アジア陸上競技選手権福岡大会/在日同胞の2選手が共和国代表として出場
19〜22日に行われた第12回アジア陸上競技選手権福岡大会(博多の森陸上競技場)に、在日同胞の金尚龍選手(神戸朝高・順天堂大卒、27)と黄日錫選手(東京朝高・東海大卒、22)が共和国代表として出場。結果は金選手が10種競技で5位、黄選手は400メートルで13位だった。メダルには及ばなかったものの、38の国・地域から517人がエントリーした大会での代表選手としての経験は、共和国記録保持者でもある両選手の今後にとって貴重なものとなった。
金尚龍選手が10種競技で5位
金選手は初日(19日)の100メートル、幅跳び、砲丸投げ、走り高跳び、400メートルを終えた時点で2位。1位とは2点差だった。
しかし2日目(20日)の110メートル障害、円盤投げ、棒高跳び、槍投げ、1500メートルで記録を伸ばせず、結果は7814点で11人中5位。自己記録を400点以上も下回る不本意な結果に終わった。
大会を前に体調を崩していたことが響き、「当たり前のことを当たり前にできなかった」(金選手)。
それでも、比較的得意な種目が並んだ初日に2位に食い込めたことは、実力の高さを物語るものだ。金選手が所属する八千代工業陸上部の小野圭久監督は、「実力どおりに行けばメダルは確実だったはず。棒高跳びなど苦手種目の克服に励んで来たが、その成果も表れていた」と評した。
金選手は、「自分にとって今、何が必要かを知るいい経験になった」と語り、実力向上を誓った。
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24人が出場した400メートルは、8人ずつ3組に分かれて予選が行われた。決勝に進むのは、各組1、2位と、その他の中でタイムの良かった2人の計8人。
1組の黄選手は47秒40で予選五位、決勝進出はならなかった。
黄選手は今春の大学卒業後、会社員をしながら夕方から夜遅くまで、練習に汗を流す。今回は、自己ベストの47秒01には届かなかったが、大学卒業後では最高タイムだった。
黄選手は、「今の時点で、ある程度納得の行く走りができた。国際大会は初めてだが、いい経験になった。12月のアジア大会に向けて練習に励みたい」と語った。
大会に選手らと同行した在日本朝鮮人陸上競技協会の具永生顧問は、「選手には良い経験だった。同時に、在日同胞選手も実力さえあれば共和国代表選手としてたたかえるという可能性を示してくれたのではないか」と話していた。