視点
先の参議院選で自民党が大敗し橋本政権が退陣を余儀なくされた理由は、やはり経済政策の失敗だろう。いまや失業率は4%に達し、各地の職安は中高年層であふれている。30代半ばの知人は、1ヵ月間、毎日のように職安に通ったが、いまだに就職できない。
南朝鮮の場合はもっと深刻だ。失業率は6.9%に達している。整理解雇制の導入で、労働者たちはある日突然解雇される。財閥企業の現代自動車は17日、全社員の5.8%に当たる2600人を月末に解雇することを通告。労組側はもちろん抗議のストを展開したが、会社側は「最終決定」「変更の余地はない」と強硬姿勢を見せている。
こうした動きは当局の構造調整でより加速するものと予測される。
金大中「政権」は6月初旬の訪米直後、55社の整理対象企業リストを公表したのをはじめ、100社を超える公営企業とその関連企業の民営化推進・整理の宣言、不良都市銀行・地方銀行の合併など、金融、公共部門の構造調整を断行した。整理企業名の公表に伴い失業者はさらに増えることは間違いない。2大労組が強く反対するのもうなずける。
財閥企業の一つ大宇の金宇中会長でさえ「経済危機の原因は、企業の競争力が弱いためでなく、政府の経済運営ミスによるもの」(「世界週報」7月14日号)と、現「政権」の経済政策を批判している。
労働者たちの犠牲のうえに成り立つ構造調整が得策とは言えまい。(聖)