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視点


 今夏、日本に2頭の怪獣が上陸する。1頭は米国、もう1頭は朝鮮民主主義人民共和国からだ。

 米国からやってくるのはゴジラ。もともとは日本生まれだ。太古より海底で眠っていたが、米国の水爆実験で目覚め都市を破壊する。1954年の映画初登場以来、日本や世界で多くのファンをつかんできた。今年ハリウッド版ゴジラが日本に逆輸入される。

 さて、共和国から上陸するプルガサリは朝鮮半島に古くから伝わる民話に出てくる怪獣だ。どことなくゴジラに似ている。時代は高麗末期。老鍛冶屋タクセは武器を作るために徴収された農具を農民に返した罪でつかまり、獄死する。彼は米粒で小さな怪獣の人形を作り娘に残した。ある日、けがをした娘の血が落ちた時、人形は命を持ち始める。鉄を食べて巨大化したプルガサリは圧制に苦しむ民衆の味方となり、朝廷軍を打ち破るのだが…。

 映画は85年に製作されたが、諸般の事情で公開がストップし、幻の怪獣映画としてファンの間で上映が待たれていた。それだけに、13年ぶりのロードショー公開は注目の的で、問い合わせも相次いでいる。

 プルガサリの迫力満点の大暴れ、朝鮮人民軍1万人のエキストラを動員した大戦闘シーンなど、見所満載。奇しくもハリウッド版「ゴジラ」と同時期に上映される「プルガサリ」。見比べてみてはいかが。(聖)

 ※7月4日から東京・キネカ大森で、7月18日から大阪・テアトル梅田で上映される。