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ここが知りたいQ&A/米経済戦略研が駐南米軍撤収を主張したが


7年以内に兵力削減/経済制裁の段階的解除

  米経済戦略研究所が米政府に提案した報告書で、南朝鮮から米軍の「漸進的撤収」と「新しい安保体制」の構築を主張したと言うが。

  6月17日に発表した「奇跡の後のアジア 米国経済・安保優先の再定義」と題した報告書の、「朝鮮半島における米国の軍事プレゼンスの未来」という項目で指摘した。

 報告書では、97年末から経済危機に直面した南朝鮮の現状を考慮すると、現在の米・南朝鮮安保関係を乱すような行為は、南朝鮮をさらに不安定にする材料となりうるとしながらも、「米国が南朝鮮との対話を進め、漸進的であれ7年以内に在南朝鮮米軍の兵力削減につとめることが必要だ」と強調した。

 また、「米国は部隊撤収に伴う兵力削減に積極的に臨み、1953年の停戦協定を平和維持的な新しい枠組みに取り代えるべきだ」とし、そのためには4者会談など他国間の外交努力が必要であり、とくに「共和国が再三、望んでいる米朝2国間の安保対話のテーブルを提供しなければならない」と言及した。

  この研究所はどのような機関なのか。

  89年にワシントンに設立されて以来、懸案の政策建議書を作成し、政府、議会、言論・学界などへの影響力を行使している民間政策研究機関だ。

 今回の報告書作成には、朝鮮問題に詳しいセリグ・ハリソン(ウッドロー・ウィルソン国際学者センター研究員)、クライド・プレストウィッツJr(経済戦略研究所所長)の両氏を共同議長に、財政界、学界などから30余人の著名人士が参加した。

  報告書に対する共和国の反応は。

  軍縮・平和研究所スポークスマンが6月26日に談話を発表し、これは米軍が1日も早く南朝鮮から撤収することを願う共和国の要求に照らし合わせて見ると不足点はあるものの、21世紀を志向し発展を遂げている現在の国際的緩和趨勢を反映したもので、評価できると指摘した。

 撤収問題について言えば、米政府と米議会はかつて、南朝鮮駐屯米軍を段階的に削減・撤収させるための計画を数回発表したことがある。事実上、南北間ではすでに不可侵に関する合意書が発効(92年2月)され、朝米間でも基本合意文が採択(94年10月)されている現状下で、米軍が南朝鮮に継続して存在する根拠はない。

 こうしたことから朝米基本合意文調印後の同年12月に発表された米議会調査報告書は、米政府が議会の承認なしに駐南朝鮮米軍問題、停戦協定問題の協議を、共和国政府と直接行うことができると指摘している。

  報告書で他にも共和国に関して提言していることは。

  朝鮮半島の安定のために、米国が共和国に対する経済制裁解除により協力的な態度で臨み、米朝基本合意文に基づき、朝鮮戦争以来続く経済制裁の段階的な解除を推し進め、非戦略的貿易と投資を促進させなければならないと指摘した。

 また、食糧援助を展開していく上でも、米国は農業改革(個人マーケットの拡大など)をバックアップし、それを共和国の自給自足への契機とすべきだとも言及している。