第7回在日本朝鮮学生中央ピアノコンクール
共和国創建50周年記念第7回在日本朝鮮学生中央ピアノコンクールが19、20の両日、東京・小平市のルネ小平で開かれ、5つの各地方予選を通過した30人(初級部20人、中級部7人、高級部3人)の生徒が出場した。
コンクールは初級部低学年・高学年、中級部、高級部の4部門に分かれて行われた。生徒らは提示された5曲の課題曲(朝鮮曲)から選択した1曲と自由曲の2曲を披露し、日頃の練習成果を競い合った。
結果、初級部低学年で静岡初級の朴琴香(3年)、高学年で倉敷初級の鄭理耀(五年)、中級部で東大阪朝中の尹梨香(1年)、高級部で九州朝高(2年)の趙梨華さんがそれぞれ金賞に輝いた。
初日のオープニングセレモニーでは、総聯中央の朴点石教育局長と、審査委員会を代表して文芸同西東京の崔賢顧問がそれぞれあいさつ。続いて審査員の模範演奏と、昨年、ロシアのサンクトペテルブルグで開かれた第3回青少年チャイコフスキーコンクールに同コンクールの推薦で出場した九州朝高の趙梨華さん、東京朝高の姜愛玲さん(2年)の演奏が披露された。
総聯が行っている各種芸術コンクール(社会人含む)の中で、単独部門で開かれているのはこのピアノコンクールのみ。91年まで学生中央芸術競演大会の一部門として行われていたが、他の演目に比べて人口が多いため「独立」した。
コンクール実行委の調査(5年前)によると、朝鮮学校生徒の5割以上がピアノなどの鍵盤楽器を一度は習ったことがあるという。しかし大半が日本の講師に習っているため、レッスンは外国の曲で行われており、朝鮮の曲を練習する機会はほとんどない。こうした現状を踏まえて同コンクールでは、課題曲として朝鮮の曲を提示している。朝鮮の曲に接し演奏することで民族性を養うとともに、才能ある生徒を発掘して祖国を代表する優秀なピアニストを育てるのが目的だ。
生徒の間でも反響は大きい。「このコンクールのために朝鮮の曲を練習している」という静岡朝中の姜杏理さん(中2、銀賞)は、第1回から連続で出場している常連だ。「チャンダンをつかむのが難しいこともあるが、西洋の曲より弾いていて楽しい。朝鮮の曲を唯一披露できるこのコンクールをいつも心待ちにしている」。
今年7回目を迎えたコンクール。演奏について審査員は「曲のイメージや表現の豊かさなど着実にレベルアップしている」と評価するが、「まだ自由曲に比べて課題曲の表現力が低い」とも指摘する。
審査委員長で朝大音楽科教授の盧相鉉氏は「技術的な課題は残る。しかし、ピアノコンクールは競演大会でありながらフェスティバルの要素も持ち合わせている。今年は173人の生徒が予選に参加したが、皆が日頃触れることの少ない朝鮮の曲を披露し合ったことは一つの成果と言える」と話していた。