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第25回在日本朝鮮人柔道選手権大会(東京)/大阪が連覇


 共和国創建50周年記念、第25回在日本朝鮮人柔道選手権大会(主催=在日本朝鮮人柔道協会、主管=在日本朝鮮人体育連合会)が21日、東京・文京区の講道館で行われた。団体戦5人制では総聯大阪が2年連続15回目の優勝をなし遂げ、3人制では総聯東京Aチームが優勝した。個人戦(無差別)では韓承弘(大阪)選手が初優勝した。

 団体戦・5人制には東京、神奈川、京都、大阪、朝鮮大学校の5チームが出場。2連覇を目指す大阪と、2年ぶり10回目の優勝を狙い打倒大阪に燃える東京が熱戦を繰り広げた。

 競技はリーグ戦で行われた。東京はメンバーを1人欠き、4人で出場しながらも神奈川(3−2)、朝大(4−1)、京都(3−1、1引き分け)との対戦で3連勝し、大阪との決戦に臨んだ。

 一方の大阪は、初戦で神奈川(5−0)、3戦目で朝大(5−0)に圧勝。しかし2戦目の対京都戦では、先鋒、副将が優勢勝ちしながらも中堅が引き分け、次鋒、大将が一本負けを喫して勝負を落とし、東京に勝てば2連覇、負ければ3位という瀬戸際に立たされた。

 優勝をかけた東京対大阪の決戦では、副将まで2−2で進み、勝負は最後の大将戦に持ち越された。

 大阪の大将・金周一選手(33)はこれまで、東京の大将・金有士選手(20)と2度対戦し、いずれも敗れていた。

 この日も先手を取ったのは金有士選手で、1分45秒に技ありを決めて試合を優勢に進めた。しかし2分8秒、同選手の攻略法を練り、機をうかがっていた金周一選手は、攻めに出て来た金有士選手の僅かなすきを突く「谷落し」で、見事に逆転の一本勝ちを決めた。

 金周一選手は試合後、「1年間、メンバーが一丸となって練習に励んで来たことが今日の勝因」と強調していた。

 また3人制には、8チームが参加。予選リーグを1位で突破した総聯東京Aチームが、決勝でも東京朝高に3−0で快勝し、優勝を飾った。

   ◇    ◇   

 32人が出場した個人戦では、「東京の金有士選手を誰が倒すか」に関心が集まった。同選手は一昨年の選手権大会で、初参加にして個人戦3位に入賞。昨年には選手権大会、関東地方大会、東西対抗柔道の個人戦をすべて制した「若き実力者」だ。

 競技はトーナメント方式で行われ、金有士、金聖一(33・北海道)、韓承弘(30・大阪)、高孝義(26・同)の各選手が準決勝に進出。金有士選手は金聖一選手から「大内刈り」で技ありを取って優勢勝ちし、韓選手は好敵手、高選手との熾烈な攻防の末に判定勝ちした。

 団体戦での雪辱を期す金選手と、これまで東西対抗柔道の個人戦や選手権の団体戦で9度の優勝に輝きながら、ただひとつ手にできなかった選手権個人戦の金メダル獲得を目指す韓選手は、互いに相手のすきをうかがいながら試合を進めた。そして1分22秒、攻めに出た金選手の技を韓選手が「小外刈り」で返して一本、7度目の挑戦で、念願の初優勝に輝いた。

 同胞柔道界でも世代交替が言われる中、若い選手にひけを取るまいと、過去1年間、毎日のように練習に汗を流したという韓選手は、「今後も優勝者らしく、若い選手たちをリードして行きたい」と感無量の様子だった。

順位表

団体戦・5人制

@総聯大阪
A東京
B京都

団体戦・3人制

@東京A
A東京朝高
B朝大B、京都朝高

個人戦

@韓承弘(大阪)
A金有士(東京)
B金聖一(北海道)、高孝義(大阪)