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朝鮮幼稚園園児向けの児童雑誌「コッポンオリ(つぼみ)」がリニューアル


 創刊27周年を迎えた朝鮮幼稚園園児向けの児童雑誌「コッポンオリ(つぼみ)」が、読者対象の幅を広げることを念頭にこの春から大幅にリニューアルされた。発行元は朝鮮学校の教科書と学習教材、児童・生徒向けの図書類を発刊している学友書房。

  「オリニ(子ども)とオンマ(母親)がともに見る雑誌」をコンセプトに、これまで幼稚園の先生が園児に読み聞かせることに重点を置いていたものを、実際に子どもが使って遊びながら学べる「参加型」の内容に改めた。また内容をより充実させ、季節感を紙面作りに全面的に取り入れようという目的から、月刊を年4回発行の季刊に変え、ページ数を倍増させた。

 ぬり絵やクレヨンの練習、切り抜いて遊べる紙工作、「お話を作ってみよう」、「探してみよう」などのページを増やし、幼稚園ではもちろん、家庭で母親が子どもと一緒に楽しめるように、簡単な朝鮮料理を主体にした料理教室のコーナーも設けた。

 リニューアルの大きな特徴は、内容に応じて日本語のルビと対訳を大々的に導入し分かりやすくする工夫を凝らした点だ。朝鮮幼稚園でも朝鮮語の分からない母親層が増えていることを考慮した。同時に、朝鮮幼稚園に通っていない子どもたちや家族にも幅広く利用してほしいとの願いも込められている。朝鮮語でのあいさつや、朝鮮の民話、料理、風習に関することまで、民族のことをあまり知らない若い母親たちにとっても、子どもと一緒に楽しく学べる内容になっている。

 とくに注目したいのは新たに設けられたコーナー「民族教育のひろば」。大人向けに日本語で民族教育を紹介する欄だ。春号の第1回目は「朝鮮幼稚園」で、教育目的とその内容を、写真とイラストを交えて分かりやすく紹介している。

 同誌編集部ではリニューアル第1号の春号が出た後、朝鮮幼稚園の教員らを対象にアンケート調査をしたが、「楽しく多彩な内容」「色がカラフルできれい」「分かりやすい」「使いやすい」「親も喜んでいる」など、おおむね好評だった。とくに、「民族教育のひろば」は朝鮮幼稚園に通っていない家庭に民族教育のよさを知らせるために大変有効との声が多かった。

 今回のリニューアルに向け昨年から研究を重ねてきたという編集部では、「子ども向けの本はたくさん売っているけれど、同胞児童のための雑誌はコッポンオリしかない。今後も、読者の意見、現場の意見を取り入れ、試行錯誤を重ねてよりよい雑誌を作るために努力したい」と話していた。

 次号の夏号は7月初めに発行される。予定される内容は「好き嫌いをなくそうよ」、朝鮮の七夕の話など。

  問い合わせは学友書房 TEL 03−5392−1181まで。