視点
サッカーのワールドカップ(W杯)フランス大会がいよいよ始まった。32ヵ国・地域が参加し、来月12日の決勝まで1ヵ月あまりの熱戦が繰り広げられる。
W杯と関連して7日朝のテレビ番組がちょっと変わった視点で特集を組んでいた。番組の趣旨は、今後日本の企業が「野球型」から「サッカー型」に変わっていくのではないかというものだ。
野球は基本的に監督がベンチから采配を送り、そのとおりに選手が動く。サッカーも監督が作戦を練り采配を下すことに変わりはないが、広いピッチでボールをどう動かすかはある程度選手個々人の判断・裁量にかかってくる。企業に例えれば、「野球型」が典型的な管理型だとすれば、「サッカー型」は社員の自由な発想、企画力を生かす方向で物事を進めていくというわけだ。
3〜5日に行われた第20回在日朝鮮初級学校中央サッカー大会で2年連続優勝した西東京第1の劉順植監督は、日頃から子供たちに強要せず、自由にプレーさせるよう心がけている。「勝敗にこだわらず、個々人の能力を高めてあげよう」との指導方針が反映されているのだ。今回も決勝のPK戦で、蹴る順番を選手自身に決めさせた。
こうした環境の中で、選手たちは逆に自分たちに任されているのだという責任を自覚するようになる。と同時に、自由な発想で、気負わず、のびのびとプレーし、実力をフルに発揮できるのだ。(聖)