創建50周年――金正日総書記が指導する共和国
第1部 経済(中)
今日の課題/工場フル稼動と食糧問題解決
城鋼に灯された烽火
経済建設の基本路線である重工業を発展させるためには、電力問題を解決して鋼材を増産し、工場をフル稼働させなければならない。金正日総書記は1月16〜21日、自力で中小型発電所を多数建設した慈江道を、3月9日には鋼鉄生産を高い水準で正常化するための協議を行うために咸鏡北道の城津製鋼連合企業所(城鋼)を、6月1日には慈江道煕川市内の工場、企業所をそれぞれ現地指導し、生産を高めていることに満足の意を示した。
これらの現地指導には、重工業を発展させる土台を整えようとする総書記の意図が込められている。城鋼への現地指導について労働新聞は「新たな攻撃戦の烽火、最終勝利の烽火」と位置付けた。
金日成主席は56年12月、朝鮮戦争(53年7月停戦)後の5ヵ年計画初年(57年)の課題を遂行させるために降仙製鋼所を訪れた。降仙の労働者らは「鋼材を1万トンだけでもより多く生産できれば国がひと息つける」と述べた主席の期待に応え、既存の設備では年間6万トンしか生産できないところを最終的には12万トンも生産、国家計画推進の基礎を整えた。
こうして千里馬運動が起こったが、当時のように、逆境を順境に転換させようとするのが「城鋼の烽火」である。こんにち、大規模鉄鋼生産基地である城鋼で鋼材を増産すれば、「人民経済全般を立て直す」ことができる。
5月10日付労働新聞は、城鋼では、総書記の現地指導時に比べて生産は4.5倍に増え、5月に入ってからの1週間の生産量は4月1カ月間の量に等しいと伝えた。鋼材は各金属、機械工場などに送られ、トラクターや車両、船舶へと生まれ変わるのである。
点と点をつないで線とした総書記の現地指導、とくに城鋼に灯した「烽火」は、社会主義建設と人民経済全般を発展させるための新たな転換の契機となろう。
チュチェ農法の推進
「共和国創建50周年をコメ豊作、野菜豊作、果実豊作、肉豊作で迎えよう!」(朝鮮労働党中央委員会スローガン)。
共和国では95年以降の2年続きの水害に加え昨年は旱ばつと高温現象、高潮による自然災害を被り、深刻な食糧不足に見舞われた。共和国の年間穀物総需要量は約784万トンで、うち食糧需要は482万トン程度だ。しかし昨年の自然災害でトウモロコシ120余万トン、稲60余万トンが減少し、収穫は268万5000トン(3月2日付洪水被害対策委員会スポークスマン談話)に減った。さらに共和国の江原道地域で2、3日、高潮が発生し、田植えを終えた数千ヘクタールの田んぼと6、7月に収穫して供給する予定だった小麦、麦、じゃがいも畑が浸水した。
共和国では現在、国際社会からの食糧支援を受けているが、自助努力も重ねている。スローガンではチュチェ農法の推進、貯水池の新設、複合微生物肥料の増産などを呼びかけた。チュチェ農法とは、農民が主人になって自然気候条件と土壌条件に合わせて農業を科学技術的に営む農法だ。西海岸平野地帯の各農村では5月9日、暖かい春の日が逸早く訪れた気象状況に伴い、例年に比べて早く田植えを行った。一方、黄海北道鳳山郡内の農業では苗が完全に育っていない状態から、例年より遅く田植えを実施。また労働新聞5月3日付によると、咸鏡南道咸興市リョンフン協同農場では、農場の近くに貯水池を新設し、旱ばつ対策を講じた。さらに96年から導入された複合微生物肥料は、国内の原料で生産でき、2毛作による地力の低下を防ぎ、農産物増産に明るい光をもたらしている。
「コメは即ち社会主義である」(金日成主席)との指摘にもあるように、食糧問題を解決すれば、「社会主義の優越性を発揚させる」(共同社説)ことができる。