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創建50周年――金正日総書記が指導する共和国

第1部 経済(上)


土台の再構築/重工業の優先的発展で

 共和国は9月9日、建国50周年を迎える。それは金日成主席が創始した朝鮮式社会主義を輝かせ、金正日総書記が指導する共和国をより富強な国に建設する節目でもある。昨年7月8日、金日成主席の喪明けを迎えた共和国では、その後の10月8日、金正日書記を朝鮮労働党総書記に推戴し、金正日時代を公式に宣布した。7月26日には第10期最高人民会議代議員選挙が実施され、その後の第1回会議で国家主席推戴事業が行われるとの観測もある。今年元旦の共同社説は、「共和国創建50周年を社会主義勝利者の大祝典として輝かせよう」と指摘。建国50周年を「朝鮮式社会主義の優越性を余すところなく発揚させる意義深い出来事として輝かせようとするのが総書記の決心」(労働新聞1月9日付)である。総書記は建国記念日に向けてどのような国造りをしようとしているのか。(基)

 

困難な峠を克服

 共和国ではここ数年、建国以来かつてない困難な状況で社会主義建設を推し進めねばならなかった。89〜91年にかけてソ連、東欧の社会主義体制が崩壊、共和国は貿易市場を喪失。また米国を中心に社会主義体制抹殺を狙う策動が執ように展開された。さらに、95年以降の2年続きの水害に加え昨年は旱ばつに見舞われ、食糧不足が深刻化するなど2重3重の経済的負担を強いられた。

 こうした困難な状況を乗り越えるために繰り広げてきたのが「苦難の行軍」だ。今年の共同社説では「苦難の行軍」の「困難な峠を成果裏に克服した」と指摘した。これは「苦難の行軍」の過程で、「社会主義をしっかりと固守できる政治思想的基礎と軍事力を整えた」(労働新聞2月16日付)ことを意味する。残るは経済問題だ。

 1月8日付労働新聞は、今年を「苦難の行軍」の最終勝利のための強行軍の年と位置付け、経済問題の解決を中心に据え、社会主義体制を守ることを呼びかけた。強行軍の目的は、経済問題を決定的に解決し人民生活を向上させることにある。経済問題解決とは、具体的には生産の正常化と食糧供給問題の解決を意味する。

 

党のスローガンの意味

 では、そのために具体的にどのような方針をたてているのか。それを解くカギは、創建50周年に際して4月20日に発表された朝鮮労働党中央委員会のスローガンである。このスローガンは総書記の指示(労働新聞5月8日付)によって提示された。

 スローガン提示の目的は「再び千里馬の大高揚を起こすことによって共和国創建50周年を社会主義勝利者の大祝典として輝かせる」(労働新聞4月22日付)ためであり、そのためには「党の経済建設の基本路線を確固と堅持し、新たな高揚を起こさなければならない」(共同社説)。経済建設の基本路線とは、重工業の優先的発展を保障しながら軽工業と農業を同時に発展させることで、そのためには農業と石炭工業、電力工業と鉄道運輸、金属工業の水準を決定的に高めることが不可欠だ。

 スローガンは、農業においては主人である農民の意思と要求を尊重して適地適作、適期適作の原則で推進することを強調、さらに石炭を増産し、中小型発電所を建設して電力を保証し、列車運行を正常化し、鉄鋼の画期的増産をはかる――ことなどを呼びかけた。

 自力更生の精神で千里馬大高揚を起し、経済的土台を再構築すれば、「経済は活性化され、社会主義の優越性が全面的に発揚される」(共同社説)。このようにスローガンには、現状打開のための総書記の戦略的意図が込められている。