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ここが知りたいQ&A/総聯第18回全体大会


17期の3年間総聯は何をしてきたのか

総書記の指導具現に尽力/支部と新世代の組織を強化

    95年9月の総聯第17回全体大会以後の3年間はどういう時期だったか。

    一言で総聯結成以来かつてない試練の時期だった。社会主義市場の喪失や社会主義体制瓦解を狙う国際的圧力、3年連続の自然災害などで、共和国は建国以来の経済的試練を経ている。この機に祖国と在日同胞の切り離しを狙った謀略策動が陰に陽に展開された。日本経済の長期低迷、金融破綻は在日同胞の生活や企業経営にも少なからぬ影響を与えた。

   この間、総聯は何をしてきたのか。

  まず、同胞たちが金正日総書記の指導があってこそ在日朝鮮人運動の前途は明るいとの信念を持ち、総書記の思想、指導を具現するために務めた。94年7月8日に逝去した金日成主席の3年喪が挙行され、昨年喪明けが宣言された。そして3ヵ月後の10月8日には金正日書記が朝鮮労働党総書記に推戴された。

 同胞の間で世代交代が進み、1世が1割を切り、3、4世の割合が過半数を越えている状況下で、民族性を守る活動=朝鮮人として生きていくための活動を展開した。ここでは民族教育をより発展させ、同胞法律・生活相談センターを設けるなど権利擁護と生活問題解決のためにも尽力したことがあげられる。

  組織強化の面ではどうか。

  支部と新しい世代を網羅する団体を強化したことが挙げられる。昨年の「同胞訪問、奉仕、団結 3ヵ月運動」、今年の「百日間運動」を通じて、基層組織である支部を中心に、同胞と直接接しながら活動する体系が整えられた。30代の各層の青年たちを幅広く網羅する青商会が結成されたのをはじめ、朝青、留学同など新世代のための組織の強化が図られた。

 また、複合微生物肥料工場の建設、米や子供たちへの粉ミルク送付など、自然災害で食糧不足に悩む祖国への支援活動を大衆的に展開した。第2陣まで実現した在朝日本人女性故郷訪問団など朝・日間の懸案問題解決にも協力し、朝・日関係改善でも重要な役割を果たした。

 

どんな同胞社会をめざすのか

民族性守ることに重点/生活向上と権利の拡大を

  総聯第18回全体大会が5月22〜23日に開かれ、2001年までの3年間の活動方針が明らかにされたという。総聯はどんな活動を展開していくのか。

  まず、1世が築いた祖国を愛し民族性を守る伝統を受け継ぎ、3、4世を中心とする新世代の間で民族性を守ることに重点を置く。民族というキーワードのもとに各界各層の人々が団結し、仲睦まじい同胞社会を築くうえで総聯が先頭に立つということだ。今日、民族性を守ることはいつにも増して重要だ。祖国で生まれた1世が年々少なくなり、過半数以上が3、4世という状況で、日本に帰化したり国際結婚をする人々が増加している。さらに同化を促し日本における少数民族としての生き方を強要する「参政権運動」も民団によって執拗に展開されてる。同胞らの間で民族性が日ごとに薄れているのが現実だ。

 そのために3、4世の間で朝鮮語を使い、朝鮮の歴史と文化、風習を学ぶことで民族性を発揚させるために、多彩なサークルを設け、金剛山歌劇団、朝鮮新報、「イオ」なども大いに利用していく。帰化、国際結婚、「参政権獲得運動」にも引き続き反対する。全国各地にネットワークを持つ同胞結婚相談センターの役割は一層高まるだろう。民族教育の発展のために、教育内容と方法を絶えず改善することも忘れない。とくに、朝鮮大学校に法律、情報処理の専門家を育成する学科を新設するなどの対策を立てている。

  生活向上と権利の拡大もめざすというが。

  長引く日本の不況、金融不安の中で、最も切迫した問題は同胞の経済生活権をいかに守るかだ。業界の動向や金融情報などを提供する「同胞経済情報センター」を新設し、朝鮮商工新聞の経済専門紙化を図るなど、同胞商工人の企業と経営活動に助けとなる活動を活発に展開する。民族金融機関である朝銀の役割を高めるために経営基盤をしっかり構築する必要がある。30%を超えた給与所得者の雇用安定化を図り、生活の安定と向上をもたらすためにも、就職情報の提供、斡旋、逆に人材を必要とする同胞企業の要求を解決するための職業情報の提供などを行っていく計画だ。

 いまだに残る日本政府の制度的、行政的差別措置を是正させ、南朝鮮の「国籍法」を適用しようとする動きを阻止するために奮闘する。高齢者問題、障害者問題などにも取り組んでいく。在日朝鮮人人権協会、同胞法律・生活相談センターの役割と活動範囲も一層広がりを見せるだろう。

 


どんな組織にしていくのか

同胞に密着しニーズに応える/支部中心に地域コミュニティーを

  総聯をどんな組織にしていくのか。

  在日朝鮮人運動を強化発展させるために総書記の指導を具現するチュチェの愛国組織にしていく。時代の変化に適格に対応でき、すべての同胞、とくに3、4世をはじめとする新世代同胞のニーズに応えられる同胞密着型の組織作りが必要だ。そのためには総聯の基層組織である支部をより一層強化し、その役割を高めなければならない。同胞の経済的実利を図り、同胞に奉仕できるような力のある組織作りをめざす。

  なぜ支部の強化が求められるのか。

  支部は総聯の基層組織である。何故なら、支部こそ同胞と直接接触し、同胞の悩みや要求を具体的に聞き、その解決のために奔走する位置にあるからだ。総聯が真に同胞密着型の大衆組織として発展するために、支部を強化し、その役割を高めなければならないのは自明の理だ。総聯では17期と同様、若くて有能な活動家を計画的に支部に配置する方針だ。彼らが本当の意味で同胞に奉仕できる魅力ある宣伝マン、熟練した相談員となるよう、政治的にも実務的にも準備させていく。

 支部は地域活動の総合拠点になろう。つまり、管下の地域商工会、朝青、女性同盟、青商会をはじめとするすべての力量を統一した形で動かせるようにするということだ。すべての支部で文化宣伝体系と相互扶助体系が整えば、同胞と日常的に接触することで互いの意思疎通もうまくいくだろうし、随時情報交換を行うことで、彼らが何を要求しているかも適格に把握できる。そうしてこそ初めて、支部を中心とした地域コミュニティーができ、総聯が同胞と苦楽をともにする真の同胞のための組織になれるのだ。

 支部を強化するためには、同胞の基層生活単位である分会の活性化が大切だ。来秋の分会熱誠者大会をめざし、新世代を中心に多様でユニークな発想で多くの同胞を網羅する分会作りを心掛ける。

  他の団体組織について。

  商工会、女性同盟は引き続き特性に合わせて自己の役割を高め、支部単位を強化し活性化することで大衆的地盤を拡大していく必要がある。とくに重要なのが新世代を対象とする朝青、青商会、留学同を強化することだ。これは時代の要求でもある。これらの団体が支部、地域組織、班などをしっかりと固めることで幅を広げ、組織隊列を増やしてこそ、21世紀に総聯組織が確固と存在し、その役割を高めていけるといっても過言ではない。

 

祖国の統一と繁栄のためには

民族大団結実現に向け/祖国の経済建設を支援

  18全大会では祖国統一と共和国の社会主義建設に寄与する問題も話し合われたそうだが。

  金正日総書記は昨年8月4日に論文「偉大な領袖金日成同志の祖国統一遺訓を徹底的に貫徹しよう」を発表し、今年4月18日には書簡「全民族が大団結し、祖国の自主的平和統一を達成しよう」で民族大団結5大方針を明らかにした。現在、民族自主の原則で大団結を実現し、統一を促進するために何よりも重要なのが南北関係の改善だ。そのためには、南朝鮮当局がとっている反北対決姿勢を連北和解姿勢に転換させる必要がある。

 統一実現のために総聯がなすべき課題としては、@総書記の民族大団結思想と統一方針を広範な在日同胞に知らせることで、同胞の間で統一への確信を抱くようにする A南朝鮮の人々の統一運動を支持し声援を送る B思想と政見、信仰と団体の違いを問わず、自主的平和統一実現に貢献しようとする人なら誰とでも手をつなぎ団結を達成する C500万人にのぼる海外同胞との活動の幅を広げ連帯を深めて、彼らが統一運動に合流するようにする――ことなどが提起された。

  祖国の社会主義建設を支援する点ではどうか。

  祖国の人々は建国以来かつてない経済的難局を打開し、社会主義建設を推し進め、9月9日の建国50周年を輝かしく迎えるために奮闘している。在日同胞は複合微生物肥料の生産と導入などの農業支援、羅津―先鋒自由経済貿易地帯、元山・南浦保税加工地域への投資、科学者、技術者、医療人同士の共同研究や技術交流の推進など科学技術発展への貢献―などを通じて、祖国の経済建設を支援していく必要がある。

  朝・日関係改善のためには。

  情勢の変化に応じて政財界、マスコミ界、社会界など幅広い人士との親善交流を深め、彼らが朝鮮に対する理解を深め、親しみを持てるようにすることが大切だ。階層別団体とのつきあい、スポーツや文化を通じた交流で友好と親善を深めていく。