金剛山歌劇団特別公演民族器楽演奏会
金剛山歌劇団特別公演民族器楽演奏会が13日、東京・国分寺市のいずみホールで上演され、350余人が観賞した。
同胞をはじめたくさんの人々に民族楽器に対する理解を深めてもらおうと同歌劇団が企画したもの。チョッテ2重奏「クリョンの滝」やカヤグム独奏「散調」、テピリ独奏「セナル」、管楽器重奏「桑摘みに行こう」、器楽重奏「トゥレノリ」など、朝鮮の代表的な民族器楽曲12演目が披露された。演目の間に、司会者と同歌劇団の作曲家高明秀さんによる、朝鮮の民族音楽・楽器の特徴についての解説もあり、観客を楽しませた。
とくに注目を集めたのは独奏曲「龍江キナリ」に続いてチャンセナプ独奏で披露されたバッハの「G線上のアリア」。5音階(ド、レ、ミ、ソ、ラの音で構成された音階)の朝鮮民謡や器楽曲を演奏するのに使われた民族楽器が改良されたことで、より音域が広がり現代的な美感に合う多様な曲を演奏できるようになった。チャンセナプによる西洋曲の演奏は、こうした民族楽器の可能性を示したものだった。
演奏会ではまた、独奏された各楽器の原形を紹介。とくにヘグムが中国の民族楽器「胡琴」の原形だということ、中近東のダルシマが発展してヨーロッパでチェンバロ(ピアノの前身)が、朝鮮でヤングムが造られたという話は、観衆の興味を引きつけていた。
観客らは「民族楽器について知らずに過ごしていたことが恥ずかしく思えてきた」「器楽演奏会というので堅苦しいものだと思っていたが、とても楽しかった」などと語っていた。