共和国外交部が備忘録/米軍の南駐屯は不当
共和国外交部は4月29日、米軍の南朝鮮占領の不当性を明らかにする備忘録を発表し、米国が半世紀以上も、南朝鮮に4万余人の米軍を駐屯させていることの不当性について具体的資料を通じて明らかにし、米軍が南朝鮮永久占領を主張することは法的見地、冷戦以後の国際情勢の要求、4者会談の目的に照らしてみても不当であることを論証した。備忘録は、「1、南朝鮮占領米軍の撤収は朝鮮問題解決の基本的なカギ」「2、米軍撤収は回避できない国際法的義務」「3、米軍撤収は時代発展の切迫した要求」の3体系から成る。
国際法的見地から
備忘録は、米軍の南朝鮮占領が国際法的見地から不当である点について次のように指摘した。
終戦後、交戦当事者間に敵対関係を解消し、関係正常化のために自国の軍隊を撤収することは公認された国際法的原則となっている。
中国政府が朝鮮戦争に参加した自国の軍隊を1958年に主動的に完全に撤収し、米政府の要求に従い「国連軍」の名を付けた他国政府も自国軍隊を南朝鮮から撤収させた。米国も、他の地域で軍事行動に参加した後は、自国の軍隊をほぼ撤収させてきた。
米軍の南朝鮮占領は、朝鮮半島からすべての外国軍隊の撤退を見越した停戦協定に対する蹂躙である。
53年7月27日に署名した停戦協定第4条60項には、停戦協定調印後3ヵ月以内に1ランク高い政治会議を招集し、朝鮮からすべての外国軍隊を撤収させる問題などを協議することになっていた。しかし、米国は同年8月8日、米軍の長期駐屯を規定した「相互防衛条約」を締結し、54年4月にはジュネーブ会議で会談停止宣言を発表した。
統一の基本障害
備忘録は、南朝鮮占領米軍が朝鮮を分裂させた張本人、統一を妨げている基本障害であり、朝鮮半島で平和と安全に対する脅威となる点について次のように指摘した。
米国は、1世紀前から夢みてきた朝鮮支配への野望を実現するため、敗北した日本帝国主義の武装解除を口実に45年9月8日、2個師団兵力4万5000人を南朝鮮の仁川港に上陸させた。38線以南地域を占領した米軍は、南朝鮮で「軍政」を宣布し、48年5月10日には軍事的圧力によって「単独選挙」を実施し、かいらい政権をねつ造して朝鮮を分裂させた。そして、全朝鮮に対する支配野望を実現するため50年6月25日に戦争を挑発したが惨敗。半分の地だけでも占領しようとして「2つの朝鮮」政策を掲げ、分断を固定化した。
米軍の南朝鮮占領は国連総会の決議にも反する。
第30回国連総会で採択された共和国側決議3390bには、南朝鮮の「国連司令部」を解体し、すべての外国軍隊を撤退させる問題が含まれている。同時に、米国側決議3390aにも平和保障のための代案が整えられ次第、米軍が撤収するようになっている。
撤収は国際的すう勢
備忘録は、冷戦が終結したこんにち、冷戦時の論理で米軍の南朝鮮占領を合理化できないことについて次のように明らかにしている。
米国は、いわゆる「ソ連の南下」「北の南侵」などを唱えて南朝鮮占領米軍がその「抑止力」として「平和守護」に寄与しているかのように宣伝してきたが、その論拠はすでに通じなくなった。90年代に入り、緩和が加速されて「戦略的パートナー関係」が樹立されている今も、南朝鮮に対する米軍の永久駐屯を主張することは米国の戦略的誤りである。
備忘録は最後に次のように強調した。
他国に駐屯させている外国武力を撤収し、外国の軍事基地を撤廃するのは1つの国際的趨勢になっている。90年代初の前米行政府も、南朝鮮からの3段階撤軍計画を発表し、1段階計画を遂行したと発表したことがある。
米国は時代錯誤の米軍占領政策を追求するのではなく、南朝鮮から自国軍隊を撤収させる措置を即時取るべきである。それが米国の戦略的利益にも合致するであろう。(中見出しは編集部、朝鮮通信)