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中大阪朝鮮初中級学校創立50周年記念祝賀の集い


 中大阪朝鮮初中級学校創立50周年記念祝賀の集いが19日、大阪市東成区の同校運動場で開かれ、学区内の各総聯支部委員長、府議や教育関係者ら日本人士、同校学父母と卒業生、地域同胞ら750人が参加した。総聯中央の呉秀珍副議長兼大阪府本部委員長が祝辞を述べ、記念行事実行委員会の金淳瑛委員長が報告し、民族教育の発展に力を尽くして行こうと呼びかけた。

 同校学区内の同胞たちは今年1月20日の学校創立50周年を盛り上げようと、昨年5月に記念行事実行委員会を結成し、「集まろう!会おう!50周年」を合い言葉に、9月には日本市民らを招待しての公開授業、10月には学生・同胞大運動会、11月には合同同窓会を開いてきた。この日の祝賀の集いは、約1年間にわたる記念行事のラストを飾るものだ。

 祝賀の集いでは、中大阪初中の前身である東成朝鮮学院に通いながら、1949年に日本政府が強行した朝鮮人学校閉鎖令による混乱の中、卒業証書を受け取ることができなかった同胞らに、名誉卒業証書が授与された。

 在校生と卒業生による祝賀公演では、在校生が合同で作詞、作曲した曲「学びのゆりかご」「愛に溢れたウリハッキョを輝かせていこう」が合唱された。

 名誉卒業証書を授与された同校1期生の洪次姫さん(63)は「同窓生と会っていると、学生時代の楽しい思い出が蘇って来る。時代は変わったが、母校がたゆみなく発展していることを実感できた」とうれしそうに話していた。

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 金淳瑛委員長は「40周年、45周年の時と比べ、今回の50周年記念事業はより幅広い内容で行われた」と語る。

 昨年9月に行われた初の対外公開授業には日本市民ら300人が訪れた。地元マスコミにも大きく取り上げられ、民族教育の正当性を広く知らせる場となった。こうした積極的な試みを通じて、「朝鮮学校は、子供たちに民族的な誇りを育む立派な活動をしている」(高辻八男府議)などの理解が広まり、大阪市総務局長一行の同校訪問も実現。学校関係者と同胞たちは、日本の市民や行政、教育関係者の支持や理解を得ながら民族教育の権利拡大を求める運動をすることの必要性を一層実感した。同校オモニ会の高直美会長(38)は「父母として、卒業生として、ウリハッキョを守ってきた先輩たちの伝統を受け継ぎながらも、新たな環境の中で生まれる新たな課題を解決していくために力を尽くしたい」と話す。

 また、今回の記念事業の重要な柱の1つは「卒業生捜し」だった。実行委員会では5000人にのぼる卒業生のうち1000人の名簿を作成、1人1人連絡を取っていった。こうして昨年11月には同校の歴史上初の合同同窓会が開かれ、これを機に、「単に卒業生同士の親ぼくと交流を深めるための組織ではなく、子供たちのため、民族教育の発展のためにつねに未来志向的な活動をしていく組織」(柳忠明会長、51)として連合同窓会も結成された。

 さらにこの間の地域の運動は、学校を中心に支部・分会が有機的に結びついた形で進められた。総聯東成支部中道1・2分会の呉権一副分会長(36)は、「学校関連の行事がある度に新しい参加者が増えていた。分会の活動も学校絡みだと活気を帯びる」と語る。

 同校の創立50周年記念事業は、過去の50年を振り返るだけでなく、次の50年を目指して民族教育を発展させるための貴重な土台を築いたと言えよう。