ここが知りたいQ&A/北京で南北副部長級会談が開かれたが
南が肥料提供に前提条件示し決裂/口だけの対話でなく政策転換を
Q 北京で南北副部長級会談が開かれたが。
A 11〜18日の8日間にわたって開かれたが、何の結実もないまま決裂した。南側は3月25〜27日の南北赤十字実務代表接触で、肥料提供問題を公式に提起。北側は「肥料問題など互いの関心事」になっている問題を話し合おうと、副部長級会談を通報し、会談開催に至った。だが、いざ会談が始まると、南側は「相互主義」を主張し肥料提供に前提条件を掲げ、それが満たされなければ肥料を提供できないとの立場に固執した。
Q 南側のいう前提条件とは。
A 南北離散家族の再会、特使交換、92年に発効された南北合意書(南北間の和解と不可侵及び協力・交流に関する合意書)の履行だ。とくに南側は離散家族面会所の設置時期を明らかにしなければ肥料提供はできないと厳しい条件をつきつけてきた。つまり肥料問題と政治問題をリンクさせ、さらには肥料問題は後回しにして離散家族の面会所設置問題を最優先課題に掲げてきた。
Q 離散家族の再会に共和国は応じられないのか。
A ではない。実際、北側は肥料提供が始まれば離散家族や特使交換などの話ができる、と対話の用意があることを明確にしている。16日の首席代表同士の個別非公式協議では、離散家族問題を協議するための赤十字会談開催という妥協案も示した。つまり、今回の会談でまず肥料問題が解決され、段階的に他の問題も進展していくわけだ。 離散家族の再会問題について言えば、それが順調に行われるためには、同族が住む北を「反国家団体」、北に住む人々を「反国家団体構成員」と見なして自由な対話と交流を阻んでいる「国家保安法」が撤廃されるべきだ。
南北の和解、統一を妨げてきた法的、制度的措置である同法が除去されないかぎり、かりに離散家族の再会が実現しても、自由な対話、往来はできない。
Q 今後の展望は。
A 南側が対北対決政策を連北和解政策に代えてこそ、対話と協議は支障なく行われよう。そもそも金大中「大統領」は5日、今回の会談に支持を表明しながら、「政経分離の原則のもとで協力・交流など可能な限りのすべての問題を協議する」と語っていた。
そして金容淳党書記は翌6日、「全民族の支持を受けている南北合意書を1日も早く履行するためにも、南北間の対話が速やかに実現されなければならない」と述べ、「南朝鮮では現在、政経分離の原則に従い協力と交流を進めようとの話があるが、もしそれが真に祖国統一のための目的で出発したものならば、われわれは寛大に対処する」と強調した。
しかし会談で南側は、肥料問題と政治問題をリンクさせ、前「政権」と変わらぬ反北対決姿勢を示した。共和国は、肥料は緊急に要するが、政治的自主性を変えてまでして、いくらもならない肥料提供を受け入れることはできないと主張している。
100回言葉で言うよりも1回の行動に移すことに意義がある。肥料提供が実現していれば、それは対話と協力のための雰囲気醸成になっただろう。問題は、金大中「政権」が金泳三前「政権」の教訓をどのように生かすかにかかっている。