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視点


 「経済危機克服のためには政治が安定しなければならないのに、党は派閥争いに終始している」

 3日、巨大野党ハンナラ党に所属していた金宗鎬、朴世直の両「国会」議員が同党を離党、連立与党の自民連に入党した。同日、金泳三の秘書室長を務めた崔箕善・仁川市長も離党した。こちらは連立与党の国民会議から入党の誘いを受けている。

 彼らが離党したのは冒頭にあるほど高尚な理由からではないと思う。南朝鮮で、与党と野党では施される「恩恵」が天と地ほども違う。50年ぶりの政権交替で、一夜の内に与党員から野党員に変わった者らが、甘い汁の味が忘れられず、新与党にすり寄るのは不思議なことではない。

 だが、朴世直らが主張するように、IMFから支援を受けるほど深刻な不況にもかかわらずハンナラ党が党利党略で新「政府」のスタートを妨害し、派閥争いに終始しているのは事実。金鍾泌を総理代理に任命した際のゴタゴタが端的な例だ。

 現在は総裁職をめぐって、趙淳現総裁を続投させるべきだという派と新総裁を決めるべきだという派の争いが続いている。もともと李会昌を「大統領」に当選させる目的で「新韓国党」と民主党が合党した野合集団だけに、些細なことで亀裂が生じるのは当然だろう。

 この争いは今日(10日)の党大会を前に一応は収拾したが、ハンナラ党内の政争はまだまだ続きそうだ。党員の離脱もますます増えることは間違いない。(聖)