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朝青大阪・東成支部 ひびけチャンダン! セセデフェスティバル


 朝青大阪・東成支部管下の同胞青年60人が出演した「ひびけチャンダン! セセデフェスティバル」が5日、大阪府立青少年会館文化ホールで開かれ、同胞と日本市民ら800人以上が観覧した。(慧)

 

劇の主演機に日校生が「本名宣言」

 フェスティバルの一部では楽器演奏、農楽などの朝鮮舞踊、朝鮮民謡、チョゴリファッションショー、また友情出演した女性同盟東成支部中本分会と中大阪朝鮮初中級学校教職員、生徒らによる歌や踊りが披露され、2部では演劇「リアル・ネーム・ブルース」が上演された。

 演劇は、朝鮮人として生きることを否定し朝鮮名を隠して生きる同胞青年と朝青班長との出会いを主題に、日本社会に埋没している同胞青年の葛藤と、1人でも多くの青年たちに朝鮮人として生きる喜びを知ってもらいたいと願う朝青員らの熱い思いを表現したもの。

 「民族の魂を取り戻そうと燃えていた青春時代を思い出した」(27・男・会社員)、「帰化を考えていた私の胸に何かがつき刺さってきた」(18・女・会社員)などの声が聞かれ、演劇は観客に大きな感動を与えていた。

 同支部でフェスティバルを企画したのは、「支部の集まりがいつも同じ顔ぶればかりな状態」(実行委員会委員長の許明浩・支部非専従文化部長、27)から脱却するためだ。昨年末から準備を始め、今年明けから練習を重ねてきた。

 演目の中には、日本の学校に通う同胞学生のネットワーク、学生会のOBら20人による朝鮮舞踊「寺堂の舞」があった。これは、出演者を集めようと声をかけていく過程で、今ではあまり朝青とつながりのない学生会OBが、10年前に学生会の公演で踊った作品をもう一度やりたいと申し出たもの。「準備の過程で、彼らの中に眠っていた何かが目覚めたようだ」と、許実行委員長は話す。

 また演劇で主人公を演じた崔舜記さん(17、大阪学生会会長)はこのフェスティバルを機に学校で本名を名乗ることを決心。すでに学校で「本名宣言」を行った。当日は、そんな崔さんの舞台での勇姿を見に、日本人の学友も大勢訪れた。

 崔さんと幼馴染みの高勝範さん(17)は「彼とは何もかもさらけ出し、人生について語り合う仲。僕も学校には日本名で通っているから、彼の姿を見て何か出遅れたような気がした。僕も頑張らなくては」と話していた。

 この間、毎日夜遅くまで練習を重ねる一方で、観客動員のため、同胞青年宅を1軒1軒くまなく訪ね回った同支部の青年たち。許実行委員長は「フェスティバルに関わったこの間、みんなの無限のパワーを感じた。支部をもっと発展させる基礎を築けたと思う」と語っていた。