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共和国初の怪獣映画「プルガサリ」/6月下旬から東京、大阪でロードショー


 朝鮮半島に古くから伝わる鉄を食べる怪獣の民話をベースにした映画「プルガサリ/伝説の大怪獣」(朝鮮芸術映画撮影所製作)が6月下旬、日本で劇場公開される。これに先立ち特別試写会が3月25日、東京・新橋の徳間ホールで行われた。

 監督は「光州は呼んでいる」「ざわめく密林」など32本の映画を手掛けている共和国映画界の巨匠チョン・ゴンジョ。脚本は「怪傑洪吉童」「林巨正」など50本以上の作品があるベテラン、キム・セリュンが担当した。85年に製作された同映画は、共和国と映像総代理店契約を結んでいるアジア映像センターの提供で、配給元はレイジング・サンダー。上映時間1時間35分、東京・キネカ大森、大阪・テアトル梅田でロードショー公開。問い合わせはアジア映像センター TEL=03−5804−3456まで。

  【ストーリー】 高麗末期、国内でも指折りの腕を持つ鍛冶屋のタクセ老人は、農民から没収した農具を鋳造して刀や槍などの武器を造るよう役人から命じられる。しかし、生活道具を奪われてこん窮する農民を見かねたタクセは、鉄を食べる架空の怪獣プルガサリに奪われたと偽って、農具を農民に返してしまう。タクセは逮捕されて拷問を受けるが、娘のアミから差し入れられたコメ粒で小さなプルガサリの人形を作る。

 過酷な拷問がもとでタクセは獄中死。人形を父のかたみとして家に持ち帰ったアミはある日、裁縫中に誤って針で指を刺す。その血が人形に落ちた瞬間、プルガサリは動きだし、針や金具などの金属を食べ、みるみる巨大化していった。

 その後プルガサリは政権を倒そうとする農民軍に加わり、強力な仲間として朝廷軍を次々倒す。不死身のプルガサリを仲間に得た民衆は激しい戦闘の末、勝利を収める。民衆の「英雄」となったプルガサリだが、平和が訪れた後も農具などの鉄をすべて食べてしまったため、民衆の厄介者となる。人々の幸せを願うアミは、プルガサリを鎮めるため、プルガサリと一緒に死ぬことを決心する。