視点
ソウル市内の女子中学生4人が先月25日、貧しい家庭環境などを悲観して集団で飛び降り自殺した。
4人のうち3人が貧困家庭の出身。李さんは父親がアルコール依存症で働かず、学費さえ払えないことに悩んでいた。林さんの場合、父親が刑務所に収監中のうえ、母親まで入院した。国際通貨基金(IMF)から支援を受けるほどになった不況下で、生活は苦しさを増す。そんな中で彼女たちは「生きていても仕方がない」(林さん)との結論を導き出してしまったと言える。
そんな友人たちに同情したのが、古物商を営む父親のもとで裕福に育った朴さん。遺書には「親友たちがみな不幸になる世の中が恨めしい」としたためられていた。
ダンサーになる夢を抱いていた平凡な少女たちが、現実と夢のギャップに悲観して自ら幼い命をたってしまう状況が、今の南朝鮮にはある。
「韓国社会病理研究所」の白尚昌所長は、「IMF事態以後、深い挫折感が社会を支配し自殺者が増えている」と分析、子供らが少なからぬ影響を受けていると指摘する。
2月の整理解雇制導入後、不当解雇や突然の賃金削減が相次いでいる。3月18日現在でこうした不当労働行為は554件にのぼる(民主労総調べ)。労働部は失業者数が今年200万人に達すると予想する。いつまた同じような悲劇が繰り返されないとも限らない。
貧しい者が犠牲になる社会は1日も早く是正されるべきだ。(聖)