視点
日本弁護士連合会はさる二月二十日、朝鮮学校など在日外国人学校への制度的差別の是正を日本政府に勧告した。勧告には法的拘束力はないが、すべての弁護士が網羅される権威ある機関が差別現状を正面から指摘、政府に是正要求をしたことは朝鮮学校の権利獲得運動をさらに拡大するのに大きな弾みとなる。
二十五日、東京でシンポ「朝鮮学校差別を是正しようー日弁連勧告を読む」が開かれたが、参加者からは早速、勧告を持って行政当局に差別是正を求めると、これまでの対応とは違ったという経験談も紹介された。勧告が差別是正の頼もしい「武器」になっていることの証明である。
日弁連はさる九二年にも、全国高等学校体育連盟が朝鮮学校の加盟と大会参加を拒否していた問題で、文部省が高体連に対して差別是正の指導をするよう勧告したことがある。その後、大会参加を求める声は広がり、二年後の九四年から高体連は朝鮮高校の全国高校総合体育大会(インターハイ)参加を認めた。
それから五年。二十一日から岩手県水沢市で開かれた第九回全国高等学校ボクシング選抜大会で大阪朝高の白永鉄選手がフェザー級で金メダルを獲得した。これまでの最高は銀メダル。大会競技運営委員長も「全国大会参加五年での金メダルは快挙だ」と評価する。
日弁連勧告を契機に朝鮮学校の差別是正要求運動をどう広げ、実現させるかは在日同胞自身の力と取り組み方に掛かっていると言えよう。(喜)