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入学式まで1週間―新入生を持つ父母へのアドバイス


 あと1週間で4月1日。ほとんどの朝鮮初級学校では入学式が行われ、全国各地でたくさんの可愛い新入生たちが期待と喜びを胸に校門をくぐる。子供の入学を前にした父母らのために、現役教員や先輩オモニらに心構えや準備など、アドバイスを求めた。 (東)

 

楽しい学校生活のために/学校と家庭、家庭同士の協力が必要

朝鮮の名前に慣れさせよう

事前に通学路確認、練習を

持ち物に名前、キャラクター物は避ける

 ウリハッキョでは基本的にウリマルで生活するので、「うちの子は朝鮮語ができない」と不安な両親も多いかもしれない。

 「一つ一つ習った言葉から徐々にウリマルに変えていくので、心配ありません。まず、自分の名前だけ分かっていれば大丈夫。日本の幼稚園や保育園に日本の名前で通っていた子も、少なくとも自分の朝鮮の名前を呼ばれたら返事ができるようにして下さい」

 東京第五初中で現在、初級部1年を担任する尹敏玉教員(51)は話す。初1担任10回以上のベテランだ。

 次に、一般的に朝鮮学校の生徒は通学距離が長い。スクールバスが多いが、電車やバスを使う子供もいる。そのため「通学の練習が大切。スクールバスに乗る場所まではもちろん、とくに電車やバスで通学する場合は、家族が何度か一緒に練習してあげて下さい」

 各学校では通学路別のグループ登下校や教員による登下校指導など対策も立てているが、「同じ通学路の親同士もコミュニケーションを取り合っておくのが望ましいでしょう」。

 学用品などは各学校の説明に従い揃えるが、名前や住所を書くことを忘れずに。持ち物をしっかり管理できるようにするためだ。また「キャラクター物などはできれば避けて。学用品とおもちゃをはっきり区別させるため」である。

 最近はほとんどが幼稚園や保育園を経て入学してくるので、昔ほど生活面での不安はないという。ただ、鉛筆と箸の持ち方だけは「学校では直し切れないので、3〜4歳から家で正しく教えて欲しい」。

 「1学期は学校生活に慣らすことが目的。1から10までひとつひとつ教えながら、ハッキョが楽しいという気持ちになるよう全神経を傾けます。入学したら新しいことの連続で、子供たちは話したいことがいっぱい。家で、子供の話をよく聞いてあげて下さい」

 寄宿舎に入れる場合はどうだろうか。福島初中の李幸代教員(22)は昨年度に続いて今年度も初級部1年を担任し、寄宿舎の舎監も務めている。

 「おねしょや服の着替え、食事や風呂など、父母の方が心配することは基本的に私たちがすべて世話する用意ができています。また週末に家に帰る際の連絡帳はもちろん、1学期の間はほとんど毎日電話で家庭と連絡を取り合い、連携を密にしています」

 先輩オモニにも聞いてみた。「ハッキョと先生を信じること」と強調するのは、この春、長男が愛知第1初中の初級部2年になる許淑禮さん(34)。「学校のことで分からないこと、不安なことは何でも先生に聞く。急に朝鮮語も日本語も色々習うので大丈夫か、と思う人もいるでしょうが、あせらず、温かい目で見守ることが大切」。また「ウリハッキョは友達の家同士が離れている場合が多いので、家に帰ってきてから友達と遊べないのが子供にとって少し寂しい。父母同士が交流を深め、家族ぐるみで付き合うなどの工夫も必要」と話す。

 学校と家庭、家庭同士の協力が大切と言えよう。