共和国経済を読み解く/慈江道から全国へ(2)
経済活性化し、正常軌道へ/自力更生で土台を強化
人民生活向上を
共和国では今年に入り、「経済建設の基本路線」が強調されている。
今年、最大の力を注ぐべき主要な戦線は経済建設だと指摘した労働新聞と朝鮮人民軍の新年共同社説も、今年を、「苦難の行軍」の最終勝利のための強行軍の年と位置づけた労働新聞1月8日付社説も、経済建設の基本路線をしっかりと掲げるよう改めて呼びかけた。
共和国における経済建設の基本路線とは何か。ひとことで言うと、重工業の優先的発展を保障しながら軽工業と農業を同時に発展させること。これは、共和国の一貫した政策である。94年以来、人民生活向上を図るために打ち出された革命的経済戦略がうたってきた農業、軽工業、貿易の三つの第1主義は戦略=方法論であって、経済建設の基本路線自体の変化を意味するものではなかった。
労働新聞1月20日付論説は、新年共同社説が経済建設の基本路線をしっかりと掲げるよう強調したことについて、「現時期の社会主義経済建設の方向をはっきりと示したもの」であり、これは「現時期、社会主義経済建設において最も重要な問題となる」と指摘した。
なぜ重要なのか。これについて同論説は、@共和国経済を活性化しすべての部門を完全に正常軌道に乗せ A人民生活を決定的に高めるため、としている。なぜなら、「重工業は人民経済発展の基礎である。軽工業工場の生産を正常化するにも、農業生産を高めるにも重工業が優先されなくてはならない。燃料や動力、機械設備と資材なしには軽工業工場が稼働せず、農業生産も行えない」。
96年以来の「苦難の行軍」の時期、人民生活向上を図る革命的経済戦略を貫徹するために三つの第1主義を進め、地域単位、職場単位の自力更生を図った厳しい道程は、経済建設の基本路線を引き続き固守していくことの重要性を改めて想起させたのだ。
千里馬よ再び
経済建設の基本路線をしっかりと掲げることが、「現時期、社会主義経済建設において最も重要な問題となる」のは、共和国経済の基本である重工業の土台をよりしっかりと固め、経済力を再構築する時期に来たという判断でもあろう。
石炭工業部、電力工業部、鉄道部、金属工業部の各副部長は本紙の新年インタビューで、昨年まで「苦難の行軍」をしながら自力更生の精神で、今年から飛躍するための土台を構築した、と揃って力説した。最近、咸鏡北道の城津製鋼所を現地指導した金正日総書記も、同企業所が自力更生の精神を高く発揮し、鋼鉄生産で提起される重要な問題を多く解決したことに大きな満足の意を表している。
共和国は「苦難の行軍」とされるこの数年間、米国をはじめとする資本主義勢力の経済制裁と軍事的圧力、金日成主席の逝去、度重なる自然災害などによる厳しい状況の中、慈江道の模範に代表されるような自力更生の精神で、経済再建への土台作りを進めてきた。
こうして今年は、「苦難の行軍」の最終勝利のための強行軍の年となった。ここで、経済建設の基本路線が改めて強調されているのは、経済が正常軌道へ向かおうとしている兆しとも言えよう。
慈江道・江界と比較される「降仙」は、朝鮮戦争後の復旧建設=千里馬大高揚時代の象徴だ。総書記の外交手腕によって共和国を取り巻く国際情勢は好転へ向かっており、「苦難の行軍」=「銃砲声のない戦争」(労働新聞)は終わりに近づきつつある。
金正日総書記が年初から6日間にわたって慈江道を現地指導し、自力更生の経済建設を高く評価しながら「楽園の行軍」が始まったと述べ、3月に入ってからは主席が「国の工業の王様」だと言っていた製鉄部門、城津製鋼所へ現地指導に出かけたのは、決して偶然ではない。
総書記は城津製鋼所で、経済建設で重要な意義を持つ鋼鉄部門を優先させなければならないとしながら、厳しい時に鋼鉄で国を支えてきた同企業所の労働者たちが、再び千里馬に乗った勢いで大高揚の先頭に立つよう呼びかけた。 (東)