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本の紹介/明日へのメッセージ―日本と朝鮮を考える―朴日粉著


 「知らないのは恥、無知は罪」(作家の三浦綾子氏)、「済まされぬ小手先の対応」(吉見義明・中央大教授)、「恥ずべきは誰か」(詩人の石川逸子氏)、「他人の痛みをおもんばかる創造力を」(作家の山田太一氏)。

 本書に登場する多くの日本人の「言葉」に共通するのは、「いったい、日本はどこへ行こうとしているのか」という危機感と、日朝間に横たわる過去と現在から決して目を逸らすことのない、厳しくも優しい視線だ。

 本書は、95年1月から97年6月まで本社発行の日本語紙、朝鮮時報に連載されたシリーズ「戦後50年 日本の風景」、「日本はどこへ」、「カメラ訪問」などを中心に構成したもの。真の朝・日友好を願う日本の良心が、集められている。

 第1章「日本の風景」は日本の著名人、26人のインタビュー。第2章「問われるべきは何か」には、1月に他界した岩波書店の安江良介前社長が朝鮮問題について語った「正義を回復するために」をはじめ、上野千鶴子・東大教授、山田昭次・立教大非常勤講師、渡辺武達・同志社大教授、そして著者が、「従軍慰安婦」問題と「自由主義史観」、虚偽報道についてそれぞれ論じた文が収められている。

  定価=1200円、発行=朝鮮新報社、TEL 03−3269−0131