視点
「金大中丸」が台風「ハンナラ号」の影響で出帆早々立往生。いまの南朝鮮の政局はさしずめこんなところか。
「金鍾泌総理任命」をめぐり、巨大野党ハンナラ党の事実上の投票拒否で「国会」が流会したのが3日午前零時。金大中氏は同日午前11時過ぎ、高建総理の提案の形で組閣を断行し、午後には高総理の辞任を受け金鍾泌氏を総理代理に任命した。だが、ハンナラ党側は「違憲」と非難を強めており、与野党の対立はますます激化する様相だ。
総理任命同意案の採決は2月25日に行われる予定だったが、161と過半数以上の議席を占めるハンナラ党が「国会」本会議を欠席し、先送りに。2日の本会議でも同党は白紙投票戦術で事実上投票を拒否した。
なぜ、ハンナラ党はここまで反発するのか。諸説あるが、「党内の忠清圏(金鍾泌の地盤)が崩れ、政界再編で党が分裂する」(中央日報2日付)ことに上層部が憂慮しているというのが有力だ。造反議員が与党に流れる可能性も少なくない。
そもそもハンナラ党は李会昌を「大統領」に当選させる目的で「新韓国党」と民主党が合党した野合集団。くっつくのも簡単なら離れるのも簡単か。いずれにせよ、政局が混迷すればするほど、経済問題解決などは先送りにされる。
「与党も野党もわが道だけを歩んでいる。国家と国民の状況にまったく気を配っていない」(東亜日報2日付)と非難されるのも当然だ。(聖)