sinboj_hedline.gif (1986 バイト)

慈江道党委員会延亨黙責任書記に聞く/労働新聞より


 金正日総書記は1月16日から21日までの6日間にわたって慈江道を現地指導し、「これから慈江道では『苦難の行軍』ではなく楽園の行軍をするようになった」と述べた。自力更生の精神を発揮して短期間に中小型発電所(小型=1000キロワット以下、中型=1000〜1万キロワット)を各地に建設し、電力問題を解決した同道の労働者と農民らは、戦後復興期である1950年代の千里馬大高揚時代に先頭に立った降仙製鋼所(現在の千里馬製鋼連合企業所)の労働者のように、90年代の社会主義強行軍で先頭に立って社会主義経済建設の突破口を開こうとしている。労働新聞2月12日付は、同道党委員会の延亨黙責任書記のインタビューを掲載。延責任書記は、総書記の現地指導の歴史的意義と社会主義経済建設で奮闘する人民のたたかいなどについて言及した。以下にその内容を紹介する。(訳と中見出しは編集部)

 

自力で中小発電所を建設/難局打開の突破口開く

「降仙」のように

 Q 金正日総書記の慈江道現地指導の歴史的意義は。

 A 金日成主席が45年8月15日の祖国解放直後と、53年7月27日の朝鮮戦争停戦後の最も厳しい復旧時期に降仙製鋼所を訪れ、そこが自力更生の模範になるよう指導したように、総書記は共和国が強行軍を推進しているこんにち、自力で中小型発電所を建設した江界市を降仙製鋼所のように自力更生の模範単位にしようと語った。

 私は今回の現地指導には、まず1ヵ所で模範を示し、それを全国に一般化する方法で、社会主義経済建設の進路を切り開こうとする総書記の意図が込められていると思う。

 総書記は指導期間中、終始一貫して自力更生問題に関する教示をしながら、党活動と革命における現在の難局を打開する道は自力更生にあると述べた。

 道内で建設した中小型発電所のモーターは、ほとんどが道内の労働者が自力で製作したり電動機を改造して造ったものだ。発電所も、労力や資材が少なく経済的効果の高い土木堤防式、水路式、水門堤防式など様々な形態のものを建設した。チュチェ思想の具現と自力更生、これが総書記が今回の現地指導で示した真髄だと思う。

 

国家の幹部を派遣

 Q 現地指導で受けた感想は。

 A まず今回の現地指導には大きな意図が込められていた。総書記は慈江道を中小型発電所建設の模範として評価した後、地域の特性に沿ってそれを多用な形式で建設するよう語った。そして完成時には党と国家の幹部らを慈江道に派遣して、そこでの模範を見習うようにしたことだ。

 また総書記の人民に対する愛を感じた。総書記は今回、長江郡の55世帯の電気暖房設備を整えた住宅を見て回りたいへんな満足を示した。そのうえで、江界市と城干郡の電化された55世帯ずつの住宅の実態を具体的に把握し、それらの世帯にカラーテレビ受像機を贈った。照明だけでなく暖房や炊飯器などの家庭用品も、すべてを電気で解決するようにした。

 

今年中に58ヵ所建設

 Q 中小型発電所問題についてもう少し詳しく聞かせてほしい。

 A 電力なくしては何もできない。基幹産業を発展させ人民生活を向上させるためには電力問題を決定的に解決しなければならない。

 電力問題を解決するうえで手っ取り早いのは、地域の特性に合わせて中小型発電所を多く建設することだ。慈江道には鴨緑江、清川江など水量の多い大きな川など、延べ800の大小河川がある。地理的に見ると、慈江道は海抜が120メートルから2000メートルの間に位置しており、それは電力問題を解決する有利な条件となる。

 われわれは今年中に、58の中小型発電所を完成させる予定で、数万キロワットの発電能力を保証する。人民経済は飛躍的に発展し、人民生活も向上されよう。

 慈江道党委員会では、中小型発電所を多く建設して国の電化を実現させる問題、工業の潜在力を最大限利用して生産水準を正常化させる問題、農業に力を集中して生産を高める問題、国土管理事業を推進する問題、そして勤労者らの後方供給事業を強化改善させる問題など、総書記がわれわれに与えた課題を、自力更生の原則に沿って実現させる決心だ。

 

成果

暖房完備の住宅新築

 慈江道では、緊要な電力問題を解決するため、海抜が高く河川が多いという地域の特性を生かして、大小の河川に様々な形態の中小型発電所を多数建設し、そこで生産される電気で暖房完備の住宅を建てるなど人民生活向上と、経済の飛躍的発展をもたらすための強固な土台を築いた。

 道内では、昨年3月から8月の間にこのような発電所を29ヵ所に建設した。これによって同年9月現在、170余の地方産業工場と2万1300戸の住宅の照明、1700余世帯の電気暖房用の電力が解決された。

 同道を訪れた総書記は、「中小型発電所を建設して電力供給が増えれば養魚もできるし、風景も美しくなり、いろいろ良い」と述べ、「すべての道、市、郡で慈江道の模範を積極的に学ばなければならない」と強調した。

 

利点

労力、費用も少しで

 中小型発電所の形態は、水の落差を利用する水路式の発電、メタンガスを利用したメタンガス発電など様々だ。

 とくに水力発電所は、火力発電所に比べて労力と資材、資金が少なくてすみ、短期間で建設できる。さらに一度建設すれば、石炭や石油を使う火力発電所とは違い、少ない費用で電力を生産できる。

 慈江道内の北川江発電所は、長江郡の北川江支流に丸太と赤土で堤防を築き、一定の落差を作って建設された。セメントや鋼材を使わなくて済む。ここで生産された数十キロワットの電力は長江高等農業専門学校などに送られている。また、代用燃料を利用した発電所は、水がない所でも建設できる。

 慈江道では今後、計463ヵ所に中小型発電所を建設する計画で、その総発電能力は約77万キロワットに達すると見られる。