視点
田中澄江さんの「山はいのちをのばす」という本を読んだ。
89歳の高齢をものともせず山を愛し山を歩き、「山は都会にはない、きれいな空気とさわやかな風、ゆたかな緑と澄んだせせらぎの音を聞かせてくれる」と、山の愉しみ方と心のあり方を語ったエッセイである。
山に登るため田中さんは、3日前からアルコールは飲まない。心臓に負担をかけるからだ。また山歩きの1週間ぐらい前から、下痢をしないように暴飲暴食もしない。普段から健康維持のため生活をコントロールしている。
そして決して無理をせず「山で死なない、山で怪我をしない」ことを鉄則にしている。
山の専門誌「山と渓谷」や「岳人」を見ると実に多くの山の会の活動が出ている。
同胞の間でも登山愛好家が増え各地で「登山会」が結成されている。本紙への地方通信の中でも「登山会」に関する内容が最近、増えている。
5日付には広島同胞登山会が安芸小富士に、9日付には九州地方登山協会が宮崎県・市房山に登った楽しそうな写真と記事が掲載された。来る15日には、西東京同胞登山協会が恒例の「2月の名節慶祝」で高尾山に登る。「山と渓谷」2月号には、京都留学同関東OB会結成10周年記念雑誌「高翔」も紹介された。
「山は青春のいのちをのばしてくれるところです」「山の恵みを、心とからだいっぱいに、もらってきましょう」(田中さん)。(喜)