「21世紀の学び舎」もうすぐ/東京中高、新校舎棟上げ
21世紀の民族教育を担う学び舎が、徐々にその姿を整えてきた。東京朝鮮中高級学校新校舎の棟上げ式が七日に行われ、総聯中央の許宗萬責任副議長と、洪誠一委員長ら建設委員、具大石校長ら学校関係者、父母が参加した。新学期には、生徒らは新校舎で学ぶことになり、食堂棟建設などを経て9月に竣工の予定。資金集めの運動もこれからが正念場で、関係者らも気を引き締めている。
4月に入舎、フォーラムも予定
棟上げ式であいさつした許責任副議長は、「1世が生んだ民族教育の『長男』、東京中高は今、不景気など難しい条件のもと、卒業生らの手で生まれ変わろうとしている。まさにウリシデ(私たちの時代)の偉業だ」と指摘。洪建設委員長ら関係者も「力を合わせれば、できないことはない」と言葉に力を込めた。
東京中高の新校舎総工費は約13億円。もともと公的助成も受けていない朝鮮学校にとっては大事業だ。
準備が始められたのは、バブル景気も遠い昔となっていた1996年春。資金集めは困難が予想されていたが、現在までの記帳総額は10億7000万円で、目標の80パーセントにまで達した。
地域別の建設運動で見ると、埼玉で割り当て額の2億5000万円の記帳を達成、集金もほぼ終えつつあり、東京も6億5000万円の記帳を集めた。福島、栃木、群馬など学区外の地域でも8000万円が記帳されている。
建設委関係者は成果の要因について、「設計から運動の進め方まで、時には意見をたたかわせながら自主的に決定して事業を進める建設委の活動原則が、とくに若い同胞の共感と協力を得る上で有効に作用しているのでは」と見ている。
現在、5億7000万円が集金されているが、4月と9月に支払いが予定されており、建設委としては運動にいっそう拍車をかけたいところだ。
一方、建設委は4月にフォーラム「民族教育の今日と明日」(仮称)を企画している。学校が装いを新たにするのを機に、教育内容も21世紀に相応しいものにするための意見を集約しようというものだ。
準備を進めている李準〓幹事は、「十分に教育を受けて育った若い父母らは民族教育に対し、かつてに比べて高度かつ多様なニーズを持っている。それらを現実的な問題提起としてまとめることで、民族教育を発展させる力に変えていきたい」と話している。
一層の支援を求める/洪誠一建設委員長
新校舎の建設は、これまで一件の事故もなく順調に進められてきた。学生たちも、新校舎が日に日に姿を整えていく様を見ながら、同胞、父母らの愛情と期待を感じていると思う。
建設作業は仕上げの段階に入るが、資金集めの運動もこれからが峠だ。建設委員一同、最後まで役目を果たして行く決意を固めるとともに、同胞らにもより一層の支援を求めたい。