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共和国選手団、保科小を訪問/長野冬季五輪「1校1国運動」


 長野冬季五輪に参加する共和国選手団は4日、「1校1国運動」で共和国を応援している長野市立保科小学校を訪れ、日本の子供たちと交流を深めた。長野市内の小・中学校では、五輪を機に国際交流を深めようと各校が各参加国・地域を1ヵ所ずつ担当する「1校1国運動」を行ってきた。1日に行われた選手村の入村式でも、同校児童が長野朝鮮初中級学校の生徒とともに共和国の国歌「愛国歌」を合唱して選手団を迎えた。「チャルハラ、チャルハラ、チョソン!(頑張れ、頑張れ、朝鮮!)」。一生懸命に練習した朝鮮語でエールを送る子供たちの心温まる歓迎に、試合を控えた選手たちの緊張感も少し和らいだようだった。(道)

 

「チャルハラ!チョソン」/国境越えたエールに感激

 

あやとりやお手玉一緒に楽しむ

 選手団の保科小訪問は、同校の要請に共和国側が応え、実現したもの。同校では1月下旬、食糧支援のために訪朝した長野県JA(中信)・労農会議代表団に、来校を求める手紙を託していた。

 この日、選手と役員の計16人は午前11時過ぎ、児童、教員ら200余人の拍手に迎えられ、「アリラン」の歌が流れる中、体育館に入場した。

 まず、備前孟秋校長が「長野五輪が選手団にとって良い思い出になるよう心から応援します」とあいさつし、児童全員が朝鮮の童謡「コヒャンエ ポム(故郷の春)」を日本語で合唱した。児童らは選手村入村式の時も「愛国歌」を日本語に訳して歌ったが、「カナをふって朝鮮語で歌おうとも思ったが、意味も分からずに歌っては心はこもらないから」(指導した田中美智子教員)だという。

 続いて児童代表の3人が「アンニョンハシムニカ。保科小学校エ チャル オショッスムニダ(こんにちは。保科小学校へようこそ)」と朝鮮語で歓迎のあいさつ。児童会長の堀亜由美さん(6年)が「朝鮮語を学んだり、国旗の絵を描いたりしながら、共和国の選手と会えるのを楽しみにしていました」と述べると、ムン・ジェドク団長も「熱心に応援してくれてとても嬉しい。心温まる応援に応えられるよう、良い成績を残したい」と答えた。

 選手団を代表してファン・オクシル選手が「故郷の春」、ユン・チョル選手が「僕の学級のトンムが一番」という歌をそれぞれ披露した後、選手と児童たちは一緒にあやとりやお手玉、コマ回しなど、日本の伝統的な遊びに興じ、約1時間の交流会を楽しんだ。記念品交換も行われ、児童たちからけん玉や長野五輪のイメージマスコット・スノーレッツの絵などが、選手団からは共和国の絵や五輪バッジなどが贈られた。

 

観戦チケットをプレゼント

 「子供たちが私たちを応援するためにたくさん練習してくれたようで、とても嬉しい」とファン選手。迎えた保科小の原山幸太君(3年)も「一緒に遊べて楽しかった。オリンピックで頑張ってほしい」と、ともに胸一杯の様子だった。

 保科小の児童代表は16日、スピードスケート女子1500メートルに出場する共和国選手を応援しに、会場のエムウェーブを訪れる。選手村入村式のレセプションで、チケットの入手が困難で会場には応援に行けないと聞いた共和国選手団が、保科小に10人分のチケットをプレゼントしたのだ。当日、保科小の子供たちは、長野初中の子供たちと一緒に応援する予定。「1校1国運動」を通じて初めて出会った、両校の子供たちの交流の幕開けにもなりそうだ。