「素敵な出会いを貴方も」/同胞結婚相談センター
同胞結婚相談中央センターは94年3月23日の設立以来、活発に活動してきた。現在、中央と7つの地方センター、30の都道府県相談所を拠点に、「同胞による同胞のための」結婚コンサルタント事業を全国ネットで展開、中でも「素敵な出逢いを貴方に」をモットーにした「出逢いのパーティー」は好評だ。(外)
木目細かいサポートが好評/高まるニーズに誠意で対応
今、在日同胞社会で世代交代が進み、若い世代の民族性を守ることが重要な問題として掲げられている中、同センターへの期待はより高まっている。 同胞結婚相談センターでは昨年、各地のセンター・相談所ごとに「出逢いのパーティー」を29回、開いた。
主にホテルなどで行われるが、その目的は、日本社会で生活する同胞青年が出会い、交流・交際できる場を作ろうというものだ。
ここには、延べ1090余人の同胞青年が参加し、その過程で192組のカップルが誕生。前年に比べても確実に増えている。
近年、同胞結婚の比率が年々低下の傾向にあるが、その中にあって、センターを介した同胞結婚数は年々着実に増えつつあり、役割は大きい。
何よりも、スタッフのきめ細かいサポートと多彩なイベントが新しい世代の同胞に受けている。
また、朝鮮学校出身者、日本学校出身者、婚歴不問、中高年・再婚者、有資格者など対象の設定にも趣向が凝らされており、パーティーには民団や中立・無所属の同胞も参加しているという。
センターでは、同胞たちの高まる期待とニーズに誠意を持って応えようと、今年も各地で様々な「出逢いのパーティー」を予定している。(日程などの関連記事)
2人の笑顔が嬉しい/オモニの金愛和さん(48)
娘は、パーティーには友達に無理やり誘われて行ったようです。気の合う男性と出会いカップルになったと知っう娘の声に、嬉しさと寂しさと、少しの不安とで胸がいっぱいでした。1年間の交際を経て、2人は結婚しましたた時は、びっくりしました。「彼が一度、あいさつしたいと言っているので、一緒に行きます」と楽しそうに言た。母として、幸せいっぱいの2人の笑顔は何より嬉しいです。(97年11月に挙式した女性のオモニ、宮城県在住)
感性合う人に逢えた/金龍一さん(33)、李茂美さん(29)
龍一さんの話 四国は他地方に比べて同胞数が少ない地方です。九州地方で初めて開催されたパーティーに、父母に勧められるまま軽い気持ちで参加しましたが、フィーリングがぴったりの女性と1回でめぐり逢えたことは幸運でした。
茂美さんの話 姉に勧められて、初めて参加しました。感性の合う人と出逢って結婚することができ、今はとても幸せです。友達にも参加を勧めています。九州から四国に嫁に来ましたが、遠いとは思いませんでした。(96年11月、小倉リーガロイヤルでのイベントに参加、97年4月に同じ場所で挙式、愛媛県在住)
豊かな人間性に魅力/金学範さん(32)、金明花さん(26)
学範さんの話 自己主張ができ、素直かつ何事にも謙虚で譲り合う気持ちを持っており、几帳面でけじめのある人間性に魅力を感じ、彼女の気持ちを射止めようと努力しました。
明花さんの話 多くの参加者の中から選んでくれたことを嬉しく思いました。彼は包容力と知識が豊富で気配りのできる人です。気さくで、家事もよく手伝ってくれます。デートのたびに家まで送ってくれましたが、その優しさは結婚後も変わりません。実家でも頼もしい人だと大歓迎です。(97年4月、大阪・東天紅でのイベントに参加、12月に神戸で挙式、大阪府在住)
とても新鮮だった/鄭哲秀さん(33)、朴愛理さん(31)
鄭さんの話 日本の学校を卒業した私にとって、同胞との出逢いはとても新鮮でした。どちらが先に交際カードに名前を書いたかは分かりませんが、素敵な彼女と家庭を築けました。彼女は結婚後、ウリマルを習うため女性同盟支部に通っています。今は出産準備のため休んでいますが、出産後、再びチャレンジする予定です。いいオンマになるでしょう。
2人から一言 引っ込み思案の方に特にお勧めです。女性も積極的に参加しアタックして下さい。(95年8月、東京・ニュー都でのイベントに参加、96年10月に東京で挙式、東京都在住、共に仮名)
同胞結婚相談中央センター張泰浩所長のコメント
多くのイベントを企画/誰でも自由に参加を
「結婚適齢期」という言葉は最近、若者たちの間で死語になりつつある。男女共に、自分の意思で結婚の時期や相手を決める時代になっているうえ、恋愛結婚志向が強く、非婚化・晩婚化も年々進んでいる。
これは、同胞社会でも同じだ。そのうえ、日本社会の中では同胞と接する機会が圧倒的に少なく、同胞同士が出会って結婚に至る割合が、相対的に減ってきていることも否めない。
そんな中で、「出逢いのパーティー」のようなイベントを通じて、同胞が出会い、交流し、交際できれば何よりだ。もちろん交際が結婚につながれば言うことはないが、素敵な出会いをサポートするのがセンターの役割だと思っている。
私たちが実施した意識調査によると、同胞同士の結婚を求める意見は若者の間でも依然として根強い反面、出会いは少ない。
以前は、多くの若者がイベントへの参加に抵抗感を持っていたが、参加者の感想や意見も取り入れ、誠心誠意、彼らの立場に立って尽くしてきた。今では口コミで伝わり、参加者の幅も広がっている。
同胞社会で民族性を守るうえで、同胞結婚の成就はいつになく重要な問題として提起されている。
今年も多くのイベントを企画している。同胞であれば誰でも自由に、積極的に参加してほしい。