視点
朝鮮半島に起きた出来事で今年最も印象に残ったのは人工衛星「光明星1号」の打ち上げだ。100%国産の衛星打ち上げを一度で成功させたのだから、世界中を驚嘆させたのも当然だ。
その直後に開かれた最高人民会議第10期第1回会議では、金正日総書記が「国家の最高職責」である共和国国防委委員長に推戴された。これは総書記が党、国家、軍の最高首位に就いたことを意味し、最高人民会議で国家の新体制が発足したことと相俟って、文字通り新時代を迎えたことの宣言になる。
この二つの出来事は9月9日の共和国創建50周年を大きく輝かせるものとなった。
金大中新「政権」の発足で期待された当局間対話では具体的進展のなかった南北関係だが、民間では南朝鮮・現代グループの鄭周永名誉会長の3度にわたる訪北という、特筆すべき出来事があった。11月には「民間交流の模範」と称される金剛山観光が実現、順調な滑り出しを見せている。この事業は単なる観光にとどまらず、民族の和解と団結、祖国統一に貢献するものになる可能性を秘めている。総書記が国防委委員長推戴後初の会見者に鄭名誉会長を選んだのも、統一への思いを示すものだ。
「ミサイル問題」など暗いニュースが目立ったかに見えたが、こう見ると来年に向けた明るい話題も決して少なくなかった。これをバネに来年は、干支のうさぎのように朝鮮半島情勢が飛躍することを期待したい。(聖)