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京都で「在日外国人の学ぶ権利を考える集い」


 「在日外国人の学ぶ権利を考える集い」(同実行委)が5日、京都府城陽市の文化パルク城陽で行われ、妹尾茂治市議ら日本市民、総聯京都・山城支部管下の同胞らが参加した。

 「集い」は、朝鮮学校をはじめ外国人学校の卒業生に大学受験資格を認めていない日本政府の教育差別政策を市民らに知らせ、理解を深めてもらうとともに、朝鮮学校のない山城地区で民族教育を考える場にもしようと「朝鮮学校を知る会」が企画した。

 集いではまず、神戸市外国語大学の家正治教授が「外国人学校の国立大学受験資格と助成について―国際法と日弁連の勧告書を通して考える」と題して講演した。家教授は、教育の重要性と人権の概念について触れながら、民族、人種、国籍などによる一切の差別を禁止した「子どもの権利条約」と「自由権規約」の締約国である日本は朝鮮学校への差別的政策を1日も早く解消すべきだと指摘。在日朝鮮人の子どもへの差別を解消するよう求めた子どもの権利委(5月)と、朝鮮学校への制度的差別是正などを求めた自由権規約委(11月)の勧告から見ても、国際社会は日本政府の差別的な論理を認めていないと述べた。

 さらに、朝鮮人をはじめ在日外国人の権利擁護問題は、日本人の人権意識を高めることにも繋がると指摘。京都大学大学院の理学研究科、経済学研究科、教育学研究科に、朝鮮大学校卒業生が入学する道が開かれたとしながら、民族教育を取り巻く現況は大きく前進しているとし、今後も在日外国人の権利獲得のために共に尽力していこうと語った。

 意見交換が行われた後、朝鮮学校処遇改善を求める運動を一層前進させていく決意を表明したアピール文が採択された。

 「知る会」の北川照瑩会長は「情勢は厳しいが、1歩後退したら2歩前進するくらいの気持ちで、今後も尽力していきたい」と話していた。

  【朝鮮人学校を知る会】 1994年7月に結成。「北の核疑惑」騒動を背景に朝鮮学校女子生徒たちのチマ・チョゴリを切り裂く事件が相次いだことから、こうした事件を憂慮した府下の市民らが集まった。会では、隣国・隣人同士がごく自然に手を取り合って理解と友情を育むことができる社会を築くためには、まず、日本の植民地支配によって様々な差別を受けてきた在日朝鮮人の歴史について日本人自身が良く知ること、学ぶことが大切だとして、結成式と時を同じくして朝鮮学校の歴史を学ぶ学習会も開いた。以来、在日朝鮮人の歴史に関する勉強会、京都第1初級学校の公開授業参観、朝鮮学校の処遇改善を求める要請・署名活動をはじめ、幅広い活動を行ってきた。今年5月には正式な会則も作成した。