視点
米国が疑惑を提起している共和国の地下施設に対する朝米協議が4日からニューヨークで始まった。これはさる11月16、17の両日、平壌で行われた協議の第2ラウンド。この時、具体的な合意はなく、物別れに終わった。
米国は「核施設」の疑いがあると査察を求め、応じなければ朝米基本合意文の破棄まで示唆。強硬保守勢力は「断固たる対応」などと「宣戦布告」に等しい発言までしている。
共和国は民需用であり、査察強要は自主権の侵害、内政干渉だと反論。ただ中傷した代価として相応の補償をするなら、特例として1回だけは現地訪問実現問題を検討できると主張。そして米国が合意文を破棄するならば、合意文に頼る必要はないと言っている。
94年10月の合意文採択以来、共和国は誠実にそれを履行してきたにもかかわらず、米国は経済制裁を完全解除せず、重油提供は滞り、軽水炉建設も遅れるなど約束通り履行していない。
それにもかかわらず、「地下核施設」疑惑を8月ころから新たに持ち出してきたのである。元駐南朝鮮米大使のドナルド・グレッグは「北朝鮮はまだ合意に違反したわけではない」と述べ、まず米国が経済制裁を解除すべきだとしている。朝日新聞5日付も「『枠組み合意』はもともと検証に関する取り決めがない」と、米国の要求に無理があると指摘している。
共和国と米国、どちらの主張が正しいか明白だ。(喜)