朝鮮統一支持運動第17回全国集会
朝鮮統一支持運動第17回全国集会(主催=朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会、全国集会福岡県実行委員会)が11月28、29の両日、福岡市博多区の県中小企業振興センターで開かれ、統一支持日本委をはじめ、30余都道府県の統一支持団体と日朝連帯組織の代表、県下の在日同胞ら500余人が参加。総聯中央の許宗萬責任副議長らが招待された。参加者は、共和国の人工衛星打ち上げを機に日本政府が不当な対共和国規制措置を取っている今だからこそ、日朝連帯を強め、活発な運動を展開することで、日朝国交正常化の早期実現につなげるべきだとの意見で一致した。
集会では渡辺四郎実行委員長(前参院議員)のあいさつに続き、主催者を代表して統一支持日本委の槙枝元文議長があいさつした。
槙枝議長は、人工衛星を「ミサイル」と言い張る日本政府が取った一連の「制裁」措置は常軌を逸した行動と言わざるを得ず、「仮想敵国・北朝鮮」をテコに危険な道に進む日本政府の動向に重大な危機を感じ、日本がアジアと世界の平和にとって危険な存在になることを憂慮すると語った。また、在日朝鮮人への暴力や脅迫、嫌がらせが今回の事態を機に続発している事実を、世界に恥ずべき由々しき事態と深刻に受け止めざるを得ないと指摘した。
そして、日本は口実を設けて国交正常化を遅らせるのではなく、まず国交を樹立して公式対話の窓口を開き、相互理解を深め信頼を醸成する中で諸問題の解決に当たるべきであり、これこそが日朝の友好と平和安全保障、アジアと世界の平和に通ずる道だと語った。
続いて許責任副議長が来賓あいさつをし、人工衛星打ち上げを機に日本政府の共和国敵視政策が強まり、総聯結成以来かつてない重大な事態に陥っている中、日朝連帯組織が政府への要請や国民への呼びかけ、総聯への激励と連帯表明など積極的な支援をしてくれていることに謝意を表した。
また、日本政府は一方的な「制裁」措置、戦域ミサイル防衛(TMD)システム研究への参加や偵察衛星の導入決定など、露骨な敵対行為をしており、新ガイドライン関連法案の早期樹立や合同軍事演習の強化をはじめ、米日「韓」軍事同盟化が急進展し、日「韓」軍事結託も強まっていると指摘。米国も「地下核施設疑惑」をねつ造して北東アジアの緊張を極度に高めており、これらの危険な動きに深い憂慮を示さざるを得ないと述べた。
さらに、過去に対する謝罪と補償から目を背け、加害者が被害者に敵視政策を取ることは決して許されず、日本政府は不当な「制裁」措置の即時撤回と敵視政策の是正をすべきだと主張。日朝連帯組織が今後も朝鮮統一と朝・日関係改善、在日朝鮮人の権利擁護のため一層支援してくれることを願うと語った。
軍事評論家の前田哲男氏が「人工衛星とミサイル」と題して記念講演し、統一支持日本委の若林X事務局長が基調報告を行った。
集会では、「朝鮮半島を含む国際情勢と日朝関係」(鎌倉孝夫埼玉大教授)、「民族教育と民族的諸権利」(九州朝鮮高級学校の金光正校長)、「日本の戦争責任」(若林事務局長)と題して分科会が行われた。
また、日本政府に対して @在日朝鮮人への人権侵害に対する防止措置の実施 A共和国への「制裁」措置の撤回 B日朝国交正常化の早期実現――などを求める特別決議が採択されたほか、「朝鮮統一支持福岡アピール」と「朝鮮人民へのメッセージ」も採択された。