視点
「世界人権宣言」が1948年12月10日の国連第3回総会で採択されてから今年で50周年になる。また日本の人権擁護委員制度も同年7月17日に発足して50周年になる。
日本では12月1日から31日までの1ヵ月間を「世界人権宣言50周年・人権擁護委員制度50周年記念月間」とし、基本的人権尊重のための教育・啓発の各種行事を行うという。
人権とは、誰もが人間として生まれながらにして持っている、幸せな生活を営むための権利である。在日朝鮮人も例外ではないが、日本では様々な差別を受け人権侵害問題が根強く残っている。
差別をなくすためには1人1人が差別を「しない」「させない」「許さない」という信念を持つことが大切だとも言われる。しかし、在日朝鮮人にとって個人レベル以前に、日本政府による差別政策こそが問題である。日本で人権がどのように順守されているかを審議した国連・自由権規約委員会は11月5日、@朝鮮学校への制度的差別是正 A外国人登録法の撤廃、などを日本政府に勧告した。朝鮮学校の差別是正については、2月に日本弁護士連合会が、6月には国連子どもの権利委員会からも勧告されている。それほど民族教育に対する差別政策がひどいということを内外世論が批判しているのだ。
何よりも日本政府にこそ人権擁護の「教育・啓発」は行われるべきであり、制度的差別の早急な解消が求められている。(喜)