市民の78.2%が「撤廃、改正」要求/南で「国家保安法」の世論調査
同族である北を「反国家団体」と規定した反統一悪法、「国家保安法」は1日、制定から満50年を迎えた。世論調査では、市民の8割近くが撤廃もしくは改正を求めているという結果が出た。また、保安法違反容疑で拘束された良心囚にその保安法の遵守を約束させる遵法誓約制度についても、本質的に思想転向制度と変わりないという批判の声が高まっている。
保安法制定50周年に際し、ハンギョレ新聞と「民主社会のための弁護士の集い」が共同で世論調査を実施した結果、市民の78.2%が「撤廃もしくは改正すべき」と答えた。保安法がこの50年間で南朝鮮社会に否定的影響を与えたと答えた人は42.6%と、肯定的と答えた人を大きく上回った。
これが法律専門家になると、「撤廃もしくは改正」と答えたのは弁護士の92.9%、法学教授では実に99%に及ぶ。弁護士の50.3%、法学教授の37%が、保安法の「利敵表現物所持罪」の撤廃を求めているとの結果も出た。
さらに、現「政府」の保安法適用に対しても批判的見解が多く、弁護士の52.3%、法学教授の53.1%が「過去の『政権』と変わりない」と答えた。
この結果について、ハンギョレ新聞は「保安法はこの半世紀の南朝鮮の現代史において『順機能』よりもむしろ『逆機能』を多く行い、現『政府』に至っても変わっていないというのが、大勢の人の考えとして表れた」「現『政府』の保安法運用の実態に失望の声が多いことを、当局者はしっかりと受け止めるべきだ」と指摘している。
遵法誓約制度も非難
より狡猾、悪質になった現「政権」の統一運動弾圧の中で、最も批判を集めているのが遵法誓約制度だ。
遵法誓約制度は「良心囚の思想の自由は保障するが、頭で何を考えようと、行動と言葉で『大韓民国』を否定せず、社会秩序の次元において暴力を使わないと約束すれば、釈放する」というもの。対象者はすべての法の遵守を求められ、保安法や「集会と示威に関する法律」も含まれる。
民主化実践家族運動協議会(民家協)の調べによると、現在拘束中の良心囚437人のうち、約67%の拘束理由が保安法違反容疑。その彼らに保安法の遵守を約束させるのだから、本質的に思想転向制度と変わりないことは明らかだ。
現執権者は8月15日の「光復節特赦」で良心囚の釈放措置を講じたが、釈放されたのは455人中、誓約書を提出した94人(約20%)のみ。残りは誓約を拒否したとして対象から外された。
これに対し、民家協など多くの市民団体が強く抗議しており、全員釈放と保安法撤廃を求めるキャンペーンを展開している。