視点
南北民間レベルによる金剛山観光事業がいよいよスタートした。
18日夕、南朝鮮の観光客約900人を乗せた大型観光船・現代金剛号が3泊4日の予定で、南の東海港を出発し北の長箭港に向かった。これは半世紀以上にわたる分断の歴史で初の出来事であり、まことに喜ばしい。
観光事業が順調に進み、多くの南の人々が金剛山を訪れれば、民族の和解と団結、民族大団結を実現し統一にも大きく寄与しよう。そのためにも環境、雰囲気作りが重要である。
ソウル発の一部外信は、「観光客にとって禁止事項が多い」などと横槍を入れようとしているが、半世紀以上にわたる南北の対立と、金剛山が軍事境界線近くにあるという事情を考慮すれば当面は仕方ないだろう。
何よりもこのような観光事業が行われること自体、画期的である。今後もスムーズに行われ和解と団結の雰囲気が高まれば規制・禁止措置も緩和されるものと思われる。
マスコミの報道姿勢とともに憂慮されるのは、南朝鮮当局の姿勢である。口では「政経分離の民間経済協力を推進する」と言っているが、その一方で北侵を想定した軍事演習を米国や日本と合同で強行するなど矛盾した言動をとっているからだ。
観光事業だけがいくら順調に進んでも、軍事的緊張が解けなければ何時、突発事件が起こり支障を来たすか分からない。対北対決姿勢を改めることが観光事業継続の大きな保証にもなる。(喜)