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修正・補充された社会主義憲法について/朝鮮人権研究協会 シン・ヒョンイル委員長


 共和国最高人民会議第10期第1回会議(9月5日)で新たに修正・補充された社会主義憲法(1972年採択、92年修正)について、朝鮮人権研究協会のシン・ヒョンイル委員長(共和国教授、博士)が本社に寄せた文を紹介する。(原文は朝鮮語、訳編集部)

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 今回、憲法を修正・補充することになった理由は一言で言って、内外の環境変化と時代の要求を具現するためだ。とくに金日成主席の逝去という予期せぬ出来事が起きたため、朝鮮労働党の指導にもとに人民政権の機能と役割を高められるよう全般的国家機構を新たに整備・改善する問題が提起された。

 

国家機構を整備改善

 新たに修正・補充された憲法の内容を次にあげる。

 まず憲法序文が新たに設けられた。

 金日成主席が永遠に共和国と共にいることを核にしている序文では、主席の指導業績を集約して明文化した。序文こそ、修正・補充された全内容の具体的出発点となり、憲法全般を貫く基本精神と言える。

 次に憲法の政治、経済、文化、国防の各分野の諸原則(1、2、3、4章)と、公民の基本権利と義務部門では、本憲法の原則と要求をそのまま維持しながら、条文をまとめている。

 一部新たに補充された内容としては、個人所有の対象を生活費、国家と社会の追加的恩恵による収入、自留地での生産物だけでなくその他合法的経理活動を通じて得た収入まで拡大したこと、また独立採算制を実施して経済槓杆を正しく利用するようにしたこと、特殊経済地帯での各種企業の創設、運営を奨励するようにしたこと、特許権を保護するようにしたこと、居住、旅行の自由を明記したことなどである。

 次に国家機構が発展的に整備改善された。

 その基本的な趣旨は、第1に、金日成主席を共和国の永遠の主席に戴き、主席の偉業を最後まで継承完成することで、第2に、中央と地方の政権機関などを機構簡素化の原則に沿って統合整理し、すべての国家機関が朝鮮労働党の指導のもとにその機能と役割をさらに強化できるようにすることだ。

 国家機構の変わった面を重点的に見ると、まず国家機構としての主席制をなくしたことだ。これは建国の父である金日成主席を共和国の唯一無二の主席とし、主席制と主席職をひとえに金日成主席とのみ永遠に結び付けるようにしたものだ。

 主席制をなくしたことと関連して、従来の主席の権能から法公布権、特使権、条約公布権、外交代表任命・発表権などの権限は最高人民会議常任委員会に譲渡された。

 

全般的国防管理機関

 修正・補充された憲法で最も重要な内容は、国防委員会の地位と権能を拡大強化したことだ。

 従来、国防委員会は国家機構体系では4番目だったが、今回は最高人民会議の次になり、その重要性が強調された。これは、国防委員会の法的地位と権能における昇格変化を意味する。

 つまり、国防委員会の地位は、最高軍事指導機関という従来の規定に全般的国防管理機関という新たな内容が加えられたのである。

 国防委員会委員長の権能にも、一切の武力に対する指揮統率権だけでなく、国防事業全般に対する指導権を行使するとの内容が補充された。そして国防委員会が国防部門の中央機関を組織できる権能も持つということが新たに補充された。

 憲法で「共和国は朝鮮労働党の指導のもとにすべての活動を行う」(第11条)、「共和国国防委員会委員長は一切の武力を指揮統率し、国防事業全般を指導する」(第102条)と明らかにされているように、朝鮮人民が金正日総書記を国家の最高指導者として戴く法的保証はすべて整えられている。

 朝鮮労働党は執権党として国家活動を指導する。これはすなわち、金正日総書記が国家活動を指導することを意味する。

 第102条の「国防事業全般を指導する」ということは、国防部門だけでなく国防と関連した国家事業全体を指導するという意味だ。

 憲法で国防委員会の地位と権能を高めたのは、国防を最優先せざるを得ないわが国の現実的条件から出発した正当な措置である。

 

常任委員会を新設

 今回、修正・補充された憲法を見ると、国家事業と関連しては、最高人民会議常任委員会委員長が国家的な事業はすべて担い、国家を代表して活動するようになっている。これは国家の代表問題を朝鮮式に解決したものだ。

 次に、中央人民委員会と最高人民会議常設会議を統合し、最高人民会議常任委員会を新たに設けた。

 最高人民会議常任委員会は、最高人民会議休会中の最高主権機関として、国防を除いた国家活動すべての分野で主権的監督機能を果たす。常任委委員長が国家を代表するとの内容も新たに規定した。金日成主席を永遠の主席として高く戴きながら、国家の代表活動も状況に応じて能動的に行えるようにした。

 

総理は政府を代表

 修正・補充された憲法で次に重要なのは、政務院を内閣に改め、内閣の地位と権能も高めて国の行政・経済事業をさらに強化するようにしたことだ。

 内閣の地位を最高主権の行政的執行機関だけでなく、全般的国家管理機関として規定し、内閣に検閲、統制権を与え、内閣総理が共和国政府を代表するようにした。従来の委員会、部の名称を委員会、省に改め、その地位と任務、活動形式を行政機構の特色に合わせて規定した。

 また地方人民委員会と行政経済委員会を統合して人民委員会とし、地方人民委が主権的機能と行政的機能をともに担った当該地方の機関として、その責任と役割を高めるようにした。

 最後に、検察裁判機構では従来と異なり、検察機関に対する規定を先にし、中央検察所と中央裁判所が最高人民会議の休会中に常任委員会に対し責任を取るようにした。