視点
放火・殺人事件、火炎瓶襲撃事件、白昼の傷害事件、毒物混入脅迫事件、刃物郵送脅迫事件、右翼団体による威力業務妨害事件、そのほかに暴言、暴行、嫌がらせなど枚挙すればきりがない。
どこかの国の犯罪都市で起こったものではない。すべて日本で起こり、すべて在日同胞がターゲットにされている。男性、女性、学生、中央と地方の朝鮮会館や朝鮮学校、総聯の各機関などだ。
一連の事件は、8月31日の共和国の人工衛星打ち上げを契機に起こった。日本政府が「弾道ミサイル」と決め付け「対北規制措置」をとり、マスコミも「北の脅威」をセンセーショナルに書き立てたからだ。反共和国反総聯の雰囲気が醸成され民族蔑視・排他感情が拡大された。
「反感は共和国というより、朝鮮そのものに向けられている。政治より根底には民族蔑視があり、その根深さを感じた」。さる4日、総聯大阪・中東支部の山本南・山本北の両分会合同座談会での同胞の実感だ。
民族蔑視は直接的には日本帝国主義時代の朝鮮侵略と植民地支配に根ざしている。45年に日本は敗戦し朝鮮は植民地のくびきから解放されたが、日本は国家犯罪をいまだに反省、謝罪していない。歴代閣僚の侵略正当化暴言が繰り返されている。
蔑視感情を根底から覆すためにも市民らとの朝・日友好運動とともに、今こそ日本政府に過去清算を求める活動もさらに強化する必要がある。(喜)