鋭い攻撃と正確な読み/世界女流アマ囲碁で準優勝のチョ・セッピョル選手(16)
世界女流アマ囲碁選手権大会で、初出場ながら並みいる強豪を破って準優勝したチョ・セッピョル選手(16)。
今大会では、1回戦から3回戦まですべて中押し(相手がギブアップする)で勝ち抜き、圧倒的な強さを見せつけた。続く4回戦でも「優勝候補」といわれる南朝鮮代表の金世英選手を相手に、中盤から優勢を保ち3時間21分の熱戦の末、左辺から中央に伸びた大石を殺し、中押し勝ちした。
チョ選手は黄海南道・海州市出身。「将来きっと囲碁が人々の興味を引く競技になる」と信念を持っていたアボジの手ほどきを受け、10歳から囲碁を習い始めた。
「初めの頃、囲碁の難しさに嫌気が差したが、碁を打つたびだんだんと楽しさが分かってきた」チョ選手は、13歳の時、囲碁を本格的に習い始めるため平壌に。その後、めきめきと実力を伸ばし、3年という短期間で国家代表に選ばれた。現在、1日4〜5時間の練習を終えた後、長編小説を読むのが一番の楽しみという。素顔にはまだあどけなさが残るが、競技が始まると全身に闘志がみなぎる。
「実利じゃなく厚い碁を好む」と話すチョ選手は鋭い攻撃力で相手側の弱い石を着実に狙い、正確な着手で連戦連勝した。
事実上の決勝戦となった日本代表の山下千文選手との対局では、正確な読みで優勢を保っていたものの、終盤にきて1目半負けした。
本格的な国際試合の経験が浅いせいか、こうした詰めの甘さを見せたものの、チョ選手の活躍は大会関係者らの注目をおおいに集め、共和国の囲碁実力の高さを世界にアピールした。
今大会で審判を務めたプロ棋士の宮沢吾郎九段は、「幼いのに基礎、対局観、形勢判断がしっかりしており、今後の活躍が楽しみだ」とチョ選手の活躍ぶりを高く評価していた。
大会後、チョ選手は「次の大会では必ず優勝したい。そのためにも練習に励みたい」と抱負を語っていた。(貴)