分会ごとの座談会で複雑の情勢に対処/総聯大阪・中東支部
共和国の人工衛星打ち上げ以降、在日同胞への暴力・脅迫行為がエスカレートする中で、各地の総聯組織では、こうした事態を打開していく道を探っている。総聯大阪・中東支部では、分会ごとに座談会形式の勉強会を開き、複雑な情勢に主導的に対処しようとしている。「対策を講じるためにも、まずは正確な知識が必要」との趣旨によるもので、同支部では今後、こうした勉強会を定期的に開いていく考えだ。(賢)
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4日夜、近鉄・河内山本駅近くの中華料理店で、総聯山本南・山本北の両分会合同の座談会が行われた。
同支部管下での座談会は、桂分会、八尾・安中分会合同に続いて3回目。まず、総聯支部からの報告に基づきディスカッションが行われた。
報告のテーマは共和国最高人民会議第10期第1回会議、人工衛星打ち上げ問題、朝米、朝・日関係の3つだが、論議が集中したのはやはり、人工衛星問題だった。
ただ、この日の参加者は支部の集まりや戸別訪問などを通して、衛星打ち上げの事実については十分理解していた。話題は自然と、日本社会に醸成された不穏な空気のことへと流れ、活発な意見が交わされた。
「銭湯で日本人がミサイルの話をしているのを聞いて、違うと説明したが話が通じなかった」「反感は共和国というより、朝鮮そのものに向けられている。政治より根底には民族蔑視があり、その根深さを感じた」…。
千葉朝鮮会館殺人・放火事件に関しては、「第1報を聞いてテロではないかと思った」「漠然とだが、政治的な事件だとピンと来た」との話が行き交った。
山本北分会の崔成基分会長(52)は、「4年前の大阪府警による不当な総聯大阪本部強制捜査の時、まさかそんなことが、と思ったが、千葉の事件でも同じことを思った。注意を怠れば、いつ足をすくわれるか分からないのが日本社会の現実だ」と強調した。同胞らは、作られた「ミサイル問題」を背景に忍び寄る脅威を、肌で感じている。
とは言え、この現状を黙過するわけにもいかない。「大阪市議会など、総聯の説明を聞いて共和国への抗議決議をやめたところもある。普段から相互理解を深めていれば、いざと言うとき私たちの主張を受け入れてくれる」として、日本社会にアプローチする必要性が強調された。
参加者らは、総聯の出版物をはじめ情勢把握に役立つ情報を共有すること、朝鮮学校生徒の身辺の安全に皆が気を配ること、草の根レベルで日本市民との交流をさらに深めることなどで意見の一致を見て、この日の会合を終えた。