視点
ダイムラー・ベンツ、フォルクスワーゲン(VW)、シーメンス、BMWなどドイツの有名企業9社の首脳が21日、ハノーバーでシュレーダー次期首相と会談した。ナチス政権下で強制労働をさせられたユダヤ人らへの共同補償基金創設を協議するためだ。ベンツ、BMWは基金創設に同意する意向で、VWとシーメンスは独自の「基金」を設置する方針を表明している。
ドイツのこれまでの戦後補償総額は約1000億マルク(約7兆3000億円)。今後の予定額も2030年分まで決まっている。
ドイツと対照的なのが日本だ。1965年の「韓日条約」一つ見ても、過去をうやむやにしたまま経済協力の形で政治決着させた。共和国に対しては謝罪・補償はおろか、「ミサイル」を口実に国交交渉を一方的に断ち切った。軍事大国化への動きも顕著だ。
このような日本から口先だけの「謝罪」を勝ち取ったと自賛し、今後過去の問題は持ち出さないとしているのが金大中だ。日本が真に謝罪をする気がないことは、金大中訪日時の「共同宣言」に「侵略」の言葉を入れるのを拒み、元「従軍慰安婦」に政府としての補償を回避していることからも明白だ。
「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります」。ヴァイツゼッカー元大統領がドイツ敗北40周年に際して行った演説の有名な一節はこう続く。
「非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです」。(聖)