朝鮮学校差別は人権侵害/在日本朝鮮人人権協会、国連人権委員会に通報
在日本朝鮮人人権協会の趙纒怏長をはじめとした総聯の代表らは23日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で、朝鮮学校に制度的な差別を加え続ける日本政府の対応は継続的かつ重大な人権侵害行為だとして国連人権委員会に通報し、救済を申し立てる国連総長あての文書を提出した。
文書は、日本政府の朝鮮学校政策とその問題点について指摘したうえで、日本政府が@朝鮮学校卒業生に国立大学受験資格を与えないA朝鮮学校に公的補助を行わない――などの差別を加えているために在日朝鮮人が受けている被害状況について具体例をあげた。そして、日本政府の対応が、日本が批准した国際人権規約、子どもの権利条約に違反していることは明白だと強調。国連人権委がこの問題を重大な人権侵害として審議し、救済措置を1日も早く取るよう強く要請している。
申し立ては、国連人権委による人権の促進と保護に関する手続きで、個人や団体が直接訴えることのできる「人権および基本的な自由の侵害に関する通報の処理手続き」(通常『1503手続き』と呼ばれる)という通報制度にのっとったもの。人権委は日本政府に回答を求めたうえで審議する。処理は原則としてすべて非公開。夏頃には何らかの結論が出る模様だ。
朝鮮学校への制度的差別問題と関連しては、日本弁護士連合会が2月、国連子どもの権利委員会が6月、それぞれ日本政府に対して是正を勧告している。
総聯代表一行は、ジュネーブの国連欧州本部で28日、「市民的および政治的権利に関する国際人権規約」(国際人権規約B規約=自由権規約)に基づく日本政府の第4回報告書審査が行われることと関連し、21日から同地を訪問。
一行は、審査に当たる委員らに、@日本政府による朝鮮学校差別の実態と不当性A日本政府が共和国の人工衛星打ち上げを認めず「弾道ミサイル」だと騒ぐことにより在日朝鮮人迫害事件が相次いでいる事実――を知らせ、日本政府が在日朝鮮人差別政策を根本的に是正する必要があるなどと訴える活動を行っている。