アンニョンハセヨ!平壌から/FIFA女性審判 リ・ソンオクさん(28)
共和国には現在、国際サッカー連盟(FIFA)の女性審判が4人いる。リさんは2人いる線審の1人で、昨年1月に資格を得た。
元々はサッカー選手だった。長くバレーボールをやっていたが「壁にぶち当たり悩んでいた」リさんは1986年、共和国に女子サッカーが誕生すると聞き、すぐさま選手に応募した。「新しい種目で新しいスタートを切ってみたかったし、何よりサッカーそのものに関心もありましたから」
試験に合格し、人民奉仕委員会体育団の所属選手となった。長身からゴールキーパーを任され、3年後には国家代表チームに選ばれるまでに成長した。
ところが、思わぬケガが元で代表から外れる。サッカーを断念する悲しみから「憂うつな日々が続いた」が、しばらくして、審判への転身を持ち掛けられ一大決心、猛特訓に励んだ。
学生試合の担当から、やがて一般競技に立つようになったが、「充足感を感じなかった」リさんは、さらなる飛躍を求めて国際審判への道を選んだ。
国際審判として初めてフィールドに立ったのは、昨年12月に中国・広州で開かれたアジア女子サッカー大会。日本―ウズベキスタン戦など4試合を受け持った。今年2月にマレーシアで行われた国際審判合宿でも、高い評価を得た。
来年5月には米国で女子サッカーW杯が開幕する。その舞台で朝鮮の名を世界に轟かせることが、今の目標だ。(羅)